災害時「自助」徹底呼び掛け 伊勢湾台風60年、三重県知事と名張市長が対談

【伊勢湾台風の被害を伝える写真を鈴木知事(中央)に紹介する亀井市長(右)=名張市蔵持町で】

鈴木英敬三重県知事と亀井利克名張市長の「一対一対談」が30日、同市蔵持町の「市武道交流館いきいき」であった。「伊勢湾台風から60年これからの防災・危機管理」をテーマに意見交換。亀井市長は「災害時に公助はあてにならないと思っていてほしい」とし、自らが行動する「自助」を徹底するよう来場者に呼び掛けた。鈴木知事も「自分だけは大丈夫だと思わないでほしい」と訴えた。

亀井市長は「災害時に市役所はあてにならない。災害対策本部ができても一時間以内に何人の職員が集まるか分からない」と指摘。市内各地で住民主体の防災訓練が継続的に実施されていると紹介した。

「最も大事なのは自助。その次が互助、共助で最後が公助」と強調。「自分の命は自分で守るよう県と県内の全市町が呼び掛けるべき。県庁もあてにならないと強調してはどうか」と提案した。

これに対し、鈴木知事は「県庁はあてにならないとは言いにくい」としつつ、制度が始まった平成24年から県内に発表はなかった「記録的短時間大雨」が今年は九回にわたって発表されたと紹介した。

その上で、日ごろから防災意識を高める「防災の日常化」に取り組む必要性を強調。「自分は大丈夫」と考える「正常性バイアス」や「皆と一緒なら大丈夫」という「同調性バイアス」の危険性も訴えた。

このほか、亀井市長は台風などによる倒木で電線が切れ、周辺の世帯が停電する事態を避ける必要があると指摘。電線の付近の樹木を事前に伐採しておくための仕組みを設けるよう、鈴木知事に求めた。

鈴木知事は「事前に伐採しておけば、停電の確率を低くすることができる。山あいほど伐採の必要性があると思っている」と述べ、伐採に向けて電力会社との協定締結を検討していると説明した。

対談のテーマは亀井市長が県に提案。亀井市長は崩落した橋など、伊勢湾台風の被害を記録した写真を紹介した上で「今はダムができたが、だからといって災害が起こらないわけではない」と警鐘を鳴らした。