「三重テラス」のあり方検討 県議会・一般質問で県

県議会11月定例月会議は29日、奥野英介(草莽、四期、伊勢市選出)、村林聡(自民党、四期、度会郡)、山本里香(共産党、二期、四日市市)、山内道明(公明党、二期、四日市市)、小島智子(新政みえ、三期、桑名市・桑名郡)の五議員が一般質問した。奥野議員は県の首都圏営業拠点「三重テラス」(東京・日本橋)について「令和四年度までの第二ステージを区切りにしては」と述べ、規模の縮小も含めて見直すよう提案。県当局は「第二ステージ終了後は効果や課題を検証し、あり方を検討する」と説明した。

オスプレイ飛来に懸念

奥野 英介議員(草莽)
米海兵隊の輸送機「オスプレイ」が12月に日米合同訓練の一環で伊勢市の陸上自衛隊明野駐屯地に飛来することを「随分と不安」と懸念した上で、自治体と自衛隊の関係について「緊張感が薄れている」と指摘した。

【オスプレイ】
奥野議員 旧小俣町では新型ヘリが明野駐屯地に導入されるたび、町職員が自衛隊の説明をうのみにせず騒音レベルを調べていた。自衛隊との関係に緊張感が薄れている。情報提供も激減した。不安が払拭ふっしょくされているとは言いがたい。

知事 県と市は東海防衛支局長に対し、十分な説明や情報提供、安全管理のほか、オスプレイを使った訓練の常態化を避けることを強く申し入れた。防衛省、自衛隊とは常々顔の見える関係にあることから、緊急時には連携して対応するなど万全を期す。

【三重テラス】
奥野議員 三重テラスの取り組みをそれなりに評価しているが、十年間にわたって続けることが果たして行政の役割なのか。財政が厳しい中では規模縮小のほか、いったん区切りを付けることも必要。少し反省も含めて答弁してほしい。

村上雇用経済部長 第二ステージも三重テラスの機能を進化させ、実績を伸ばす努力をする。東京五輪は絶好の機会。第二ステージ終了後の三重テラスは中小企業や市町、関係団体の意見を聞きながら効果や課題を検証し、今後のあり方を検討する。

公務員と農業兼業提案

村林 聡議員(自民党)
他県で公務員の副業の許可基準を明確化する自治体が出ていることを受け、公務員と農業の兼業を提案。県はすでに許可基準を満たした勤務時間外の兼業を認めているとした上で「県職員人づくり基本方針」を改定し、職員の地域活動を促す考えを示した。

【副業解禁】
村林議員 以前、農林水産業が現金収入を得られる別の仕事として、公務員を提案した。その後、公務員の副業について社会情勢が変化したようだが、県庁では今後どう取り組むのか。

紀平総務部長 現在、県民の信頼回復と多様な人材育成に向けて「県職員人づくり基本方針」の見直しを進めている。これまで職員が勤務時間外に行う公益的活動は一定幅広く許可してきたが、基本方針の改定を踏まえ、許可基準のさらなる明確化や周知を進める。

【地籍調査】
村林議員 県内の地籍調査は全国に比べて非常に遅れている。東日本大震災のような津波被害が発生した場合、地籍調査をしておかないと復旧復興が遅れてしまう。限られた予算や人員の中では新しい手法の活用を視野に入れるべき。

大西地域連携部長 調査の効率化には民間の測量成果などを活用することが有効と認識している。本年度、国のモデル事業に県内で一地区が選定された。民間土地取引で作成された境界データの活用も国が取り組んでいると聞く。民間の測量成果を活用しながら効果的な地籍調査を推進する。

豪雨の救助法適用は

山本 里香議員(共産党)
国から避難所の運営費などが支出される災害救助法が、今夏の豪雨被害で県内に適用されているかを尋ねた。防災対策部は内閣府から「適用は難しい」との回答を受けたことを明らかにした。

【災害対策】
山本議員 夏から秋にかけての豪雨被害が深刻な状況。県内では北勢、伊勢志摩、南部で土木関係や農業関係の被害が多く発生し、市町で国の補正予算による手だてが進んでいる。災害救助法の手続きはどうなっているのか。

日沖防災対策部長 災害救助法は内閣府令の基準に基づいて適用される。今回も市町と連携して迅速に被害の全容把握に努め、災害救助法の適用を内閣府に確認したが、災害の規模や避難所の設置状況などから「適用は難しい」との回答を得た。

【住民同意】
山本議員 県は施行から十年が経過する産廃条例の問題点を改善するため、改正しようとしている。要綱に定める施設の立地に伴う住民同意が新たな条例には盛り込まれないことに危機感を持っている。立地の条件は緩和されるのか。

中川廃棄物対策局長 現行の合意形成手続きは一部の意見が反映されない可能性がある。事業者の財産権侵害につながる課題もあった。説明会の開催や意見書の提出などを条例に規定することを検討している。合意形成の過程を見える化して透明性を高めたい。

障害者芸術の推進を

山内 道明議員(公明党)
障害者の芸術文化活動を推進するため、障害者からの相談対応や芸術に関する専門知識のある人材の育成を担う支援拠点の設置を要望。県は「センター機能が早期に整備できるよう検討を進める」と支援環境の整備に前向きな姿勢を示した。

【障害者支援】
山内議員 県障がい者芸術文化祭への出展数が年々増えている。県内各地に分散している人材のネットワークをつくる必要がある。支援拠点となる「障害者芸術文化活動支援センター」の設置をお願いしたい。

大橋子ども・福祉部長 芸術文化祭の実行委員会は発表の場の提供だけでなく、芸術文化活動に関心のある障害者からの相談にも対応している。関係機関の連携体制をもとに障害者の芸術文化活動を支える人材の育成やネットワークづくりに取り組む必要がある。

【防災減災対策】
山内議員 自然災害に備え、県民の命と財産を守るため実行力のある対策が急務。「フェーズフリー」は平常時と災害時のフェーズを取り払い、普段の商品を災害時に使えるような価値を表す。新しい言葉を重要な視点として活用すべき。

日沖防災対策部長 フェーズフリーは県の進める「防災の日常化」に通じるものと考える。いつも利用しているものやサービスを、もしものときに役立てるフェーズフリーの考え方は防災対策を考える上で非常に大切。企業や団体にも周知していきたい。

犯罪被害者の支援は

小島 智子議員(新政みえ)
「犯罪被害者の支援を担当する職員の経験が豊かだとは限らない」とし、市町の職員を支援する取り組みを尋ねた。環境生活部は相談の方法などをまとめたマニュアルを作成し、市町に配布する方針を示した。

【大川小学校】
小島議員 東日本大震災で多くの子どもたちが亡くなった宮城県石巻市立大川小の対応を巡る訴訟で、最高裁は県と市の上告を棄却し、行政の過失を認めた高裁の判決が確定した。この判決について、知事はどう受け止めているか。

知事 どんな判決でも「生きていてほしかった」という家族の思いは変わらない。二度と起きないよう、子どもたちの命を守るために全力で取り組む思いを強くした。固定観念にとらわれずに対策を講じることが必要。あらゆる手段や方法を尽くして備える。

【被害者支援】
小島議員 県の調査によると、被害者の支援で最も必要なのが「支援サービスに関する情報提供」だが、どう取り組んでいるか。行政職員は部署を異動するため、担当者の経験が豊かだとは限らない。市町の職員に対する支援も必要。

井戸畑環境生活部長 犯罪被害者支援の施策集をまとめ、市町や関係機関に配布した。経験のない職員でも円滑に支援できるよう、支援の進め方などで分かりやすいマニュアルとなるハンドブックが必要だと考えている。来年度以降に作成し、市町に配布したい。