シベリア抑留の苦労語る 鈴鹿で大釈さん 飢えと寒さ、重労働 三重

【抑留体験を語る大釈さん=鈴鹿市江島本町の白子公民館で】

【鈴鹿】全国強制抑留者協会三重県支部(林英夫支部長)と鈴鹿市江島本町の白子公民館は10日、同館で「シベリア抑留の労苦を語り継ぐ集い」を開き、80人余が抑留体験者らの講演に聞き入った。

伊勢市の大釈敏夫さん(96)は北朝鮮の清津で終戦を迎え、ソ連軍に連行された収容所で赤痢を発症して従軍病院に移送された。回復後は、ナホトカの捕虜収容所に移された。粗末な食事しか与えられず、飢えと寒さ、重労働から次々と戦友が亡くなり、凍土に埋葬した。「祖国に帰りたい一心で3年間を生き延び、船上から見る舞鶴の風景がうれしかった。戦友らの冥福を祈り、社会のためにできる限りのことをしたい」と語った。

参加した鈴鹿市桜島町の野原國雄さん(94)は「私も3年半の抑留後、大釈さんと同じ高砂丸で復員した。こんな偶然があるとは」と声を詰まらせていた。

林支部長(93)は、「悲劇を語り継ぐのは、生き残った我々の責務。戦争の悲惨さ、平和の尊さを訴え続け、亡くなった約6万人の同胞に報いたい」と話した。体験談と墓参訪問報告の後、東ソー音楽部「ズーム・アップ」によるコンサートがあった。