志摩アコヤガイ大量死 感染症確認されず 三重県「水温上昇、エサ減」見解維持

志摩市の英虞湾などでアコヤガイが大量死した問題で、三重県は6日、遺伝子検査などの結果、感染症は確認されなかったと発表した。海水温の上昇やエサとなる植物プランクトンの減少が大量死に影響した可能性があるとの従来の見解を維持。海水温などに応じて養殖業者に貝の管理を調整してもらうため、8日からブイで測定した英虞湾内の水温や塩分のデータをリアルタイムで公開する。

国の増養殖研究所などが検査した。萎縮症状が発症したアコヤガイからウイルス感染を疑わせる細胞は見つからなかった。発症貝と健常な貝に存在する細菌の遺伝子検査をした結果、発症貝だけに共通する特定の細菌の遺伝子も確認されなかった。

また、県は飼育条件の影響も解析。アコヤガイを密閉性の高い容器に入れて真珠の核入れに適した状態に調整する「抑制」の時期が、温かい海域に貝を移す「避寒」の時期と重なると、3年貝の死ぬ割合や萎縮症状の発症率が避寒後に抑制した貝よりも高かった。

県はこれまでの調査結果で、黒潮の大蛇行に伴う温水の流入や高気温による海水温の上昇で貝の栄養消費が活性化したと説明。エサが少なく、栄養が不足した可能性があるとみていた。今回の調査で原因の特定には至らなかったため、従来の見方で対策を進める。

県は海水温などの漁場環境に応じて避寒時期や期間を調整することが必要と判断。ブイで測定した湾内の水温と塩分を県真珠養殖連絡協議会のホームページ(HP)で公開する。測定したデータを活用してもらうため、養殖業者向けのマニュアルを年内に作成する。