津 一志詠んだ歌を解説 斎宮歴史博物館学芸員が講演 三重

【岸田氏(右端)の講演を聞く来場者=津市一志町の「とことめの里一志」で】

【津】万葉集に詠まれた歌にまつわる歴史を紹介する講演会が31日、三重県津市一志町の「とことめの里一志」であった。斎宮歴史博物館学芸員の岸田早苗氏(56)が「壬申の乱と十市皇女」と題して話し、近郊から106人が来場した。

同町の「波多の横山」は万葉集巻一・22の歌「河上のゆつ岩群に草生さず 常にもがもな常処女(とこおとめ)にて」が詠まれた土地で、同施設の名称の由来になった。講演会は市の「一志の歴史文化魅力発信事業」として一志町歴史語り部の会が開催した。

岸田氏は7世紀後半に大海人皇子方と大友皇子方が戦った壬申の乱を「古代史最大の内乱」と位置づけ「日本書紀の一巻全部が壬申の乱だが政権を握った側の情報なので史実は差し引く必要がある」と述べた。

「常処女」の歌の序文に登場する十市皇女を「父(大海人皇子)と夫(大友皇子)が戦い、若くして未亡人になった悲劇の皇女」と説明し「当時を想像しながら万葉集を読んでみてほしい」と呼び掛けた。

同町高野の佐藤一幸さん(79)は「詳しく話してもらった。歴史ある場所に住むことを誇りに思う」と感想を話した。