松阪 石井さんに文科大臣賞 水墨画、青峰美術院展で 三重

【文部科学大臣賞の表彰状を手に受賞作品「大台の憂愁」を紹介する石井さん=松阪市嬉野野田町の石井さん宅で】

【松阪】三重県松阪市嬉野野田町の石井昭美(号・渓楓)さん(74)の水墨画「大台の憂愁」が、第46回青峰美術院展で文部科学大臣賞を受賞した。水墨画歴30年で初めての最高賞に「自分には無縁と思っていた。私でいいのかしら」と驚いている。

同展は兵庫県三木市に本部を置く青峰美術院が主催。同賞は日本画・洋画・小品合わせて81点の入選作品から一点のみ選ばれた最高賞で14日に大阪市立美術館で表彰式があった。

石井さんは昭和64年から津市の水墨画家、奥山雄渓氏に師事。作品は10年以上前に晩秋の大台ケ原で見た大木が題材で皮がめくれ朽ちた姿をさらしながらも力強い印象で「雄々しく生き抜いた姿が人間の誇りと重なるように思えた」と話す。

当時師匠から「この題材は難しい」と言われ一度は諦めたが、いつか描きたい思いがあり今年5月から4カ月かけて100号に仕上げた。光の表現にこだわり「うっそうとした中に光が当たる部分は下地に牛乳を使った」と明かす。

幼い頃から筆を持つことが好きで墨の香りをかぐと気分が落ち着くという石井さんは「これからも描きたいと思う題材を探し今までと変わらず淡々と描き続けたい」と話した。