豚コレラ、ワクチン接種始まる 三重県内70農場 10日間で10万3000頭

【ワクチン接種のため養豚場に立ち入る獣医師ら=玉城町蚊野で】

豚コレラの感染を防ぐための豚へのワクチン接種が25日、始まった。昨年9月に岐阜市で国内26年ぶりの発生が判明してから感染拡大が止まらず、ワクチンの使用に踏み切った。平成18年以来、13年ぶり。三重県内では11月3日までに完了の見通し。

この日、県内では北勢を中心に18の養豚場で始まった。10日間で県内70農場の約10万3千頭が接種する計画。感染の危険性が高まっている北勢の養豚場は初日から3日間で完了させる。家畜保健衛生所、民間などの獣医師ら約60人が接種に当たる。

玉城町蚊野の小林ファームには午前8時半ごろ、獣医師3人が到着。雨天の中、発泡スチロールの箱に入ったワクチンを豚舎に運び込んだ。防護服を着用した獣医師らは消毒後、豚へのワクチンの注射を始めた。約4500頭への接種を4日間で終える予定。

県養豚協会長でファームの小林政弘社長は「やっとワクチンを打てることになり、大変うれしい。いつかは来ると覚悟しながらやっていたので、まずはひと安心」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。風評被害を懸念し「安心して食べてもらいたい」と述べた。

県内では、7月下旬にいなべ市の養豚場で豚コレラが発生し、全頭殺処分となった。北勢でイノシシへの感染が拡大し、これまでに19頭の感染を確認。県は国の防疫指針の改定を受け、豚にワクチンを接種させる計画を15日に国へ提出し、21日に承認された。

鈴木英敬知事は定例記者会見で「やっと接種の開始にこぎ着けることができた。引き続き感染拡大の防止に努め、生産者に寄り添って対策したい」と述べた。一方、接種地域の拡大でワクチンが不足する可能性を指摘し、国に確保を働き掛ける考えを示した。