孤高の絵描き、津の天花寺さん未発表作品展示へ、先月急逝

【天花寺さんの新作を紹介するつつみさん=津市中央の三重画廊で】

【津】三重県津市の現代美術作家で先月登山中の不慮の事故で急逝した天花寺又一郎さん=享年75=の新作展が、23日から津市中央の三重画廊で始まる。天花寺さんの娘で絵本作家のつつみあれいさん(45)=津市=は「父は絵描きとして生きた。遺作ではなく新作展として見てもらえれば」と話す。27日まで。

天花寺さんは津市に生まれ10代から独立展に出品。キャンバスや絵の具を手作りし、独自の手法で昭和58年の初個展以降名古屋、東京、三重などで多くの抽象作品を発表した。既成概念にとらわれず自身の世界を貫く孤高の作家として知られる。

今展では昨年1月の県立美術館県民ギャラリーでの大規模な個展以降に仕上げた未発表作品を中心に28点を展示。青、赤、黄の細かな点描に球体や円環、人や階段などを描いており、同画廊の山本賢司さんは「これまでにない表現で面白い作品」と話す。

つつみさんによると、天花寺さんは自然を愛し、愛をテーマに常に新しい表現に挑戦していた。家族思いで3年前に妻の紀子さんを亡くして以降、作品に具象的なものが描かれることが増えていたという。

つつみさんは「突然亡くなったことはショックだが愛情をいっぱいもらった。ここまでの新作を十分そろえ、絵描きとしてやり切った姿は見事。この絵の場所に今いるのかなと思う」と話した。