三重県議会代表質問 ワクチン、今月中旬にも接種 豚コレラ、県計画を国に提出

三重県議会9月定例月会議は16日再開し、日沖正信(新政みえ、6期、いなべ市・員弁郡選出)、中森博文(自民党県議団、5期、名張市)、東豊(草莽、3期、尾鷲市・北牟婁郡)、西場信行(自民党、10期、多気郡)の4議員が代表質問した。県は豚コレラ対策として豚にワクチンを接種する計画を、15日付で農林水産省に提出したことを明らかにした。農水省による確認や県内への告示を経て、早ければ今月中旬にも接種を始める。接種は県内で飼育される約10万3千頭の全てを対象とし、開始から10日以内に完了の見通し。

 

■予算提案者に説明の場 ― 日沖 正信議員(新政みえ)
来年度当初予算編成で導入される県民参加型予算「みんなでつくろかみえの予算」について、施策の提案者が説明する場を設けることを提案。県当局は「県民に関心を持ってもらえるよう検討する」と述べた。

【県民参加型予算】
日沖議員 今後、県民参加型予算を定着させるつもりはあるのか。県民にインターネットで投票してもらうだけでなく、提案者に説明してもらった上で投票してもらってはどうか。

知事 新しい協創のチャレンジの一つであり、今回の結果を今後の取り組みの参考とし、より多くの県民に参加してもらえるよう改善を重ねたい。

紀平総務部長 投票に当たっては、提案者に提案に至った思いを発表してもらう場を設け、その様子を発信するなど県民に関心を持って参画してもらえる取り組みを検討する。

【豚コレラ対策】
日沖議員 豚コレラ対策で、飼養豚へのワクチン接種が求められている。ワクチン接種に向けての取り組み状況や風評被害対策は。

前田農林水産部長 ワクチン接種プログラムを15日に国へ提出した。18日に生産者や流通事業者などでつくる「県豚コレラワクチン対応連絡会議」を開き、最新の情報を共有する。ワクチン接種が目前に迫る中で、県産豚肉の風評被害の未然防止に向けた取り組みが喫緊の課題。小売店などの不安を解消するため、相談・通報窓口を設置する。

 

■eスポーツを国体に ― 中森博文議員(自民党県議団)
コンピューターゲームを使って対戦する競技「eスポーツ」が今年の茨城国体で文化プログラムに採用されたことを紹介し、三重国体でも導入するよう提案。鈴木知事は「前向きに検討する」と述べた。

【海洋プラスチック】
中森議員 G20大阪サミットでは、2050年までに海洋プラスチックによる新たな汚染をゼロにする目標が共有された。排出抑制や資源循環、適正処理まで総合的な対策が求められている。県は具体的にどう取り組むのか。

中川廃棄物対策局長 ワンウェイプラスチックの削減や代替品の開発、排出事業者と活用事業者のマッチングに取り組む。10月から県庁で「プラスチックスマートアクション」を始め、職員によるマイバッグ、マイボトル運動などに取り組んでいる。

【eスポーツ】
中森議員 eスポーツの競技人口は世界で1億人と言われている。茨城国体で文化プログラムの一環として開かれた「eスポーツ選手権」は大盛況だったという。国体への関心を高める効果も期待できる。三重国体でも開催しては。

知事 eスポーツは国内外で幅広く流行し始め、今後の成長分野として期待されている。県も10月5日にeスポーツを楽しむイベントを開き、熱い戦いが繰り広げられた。eスポーツを三重国体の文化プログラムで開催できないか、前向きに検討したい。

 

■避難所の質向上を ― 東 豊議員(草莽)
南海トラフ巨大地震では避難生活が長期化することを想定し、避難所の質の向上を求めた。エアコンやシャワーの設置は国の財政支援の対象外となる場合があるため、鈴木知事は「秋の国への提言活動で働き掛ける」と述べた。

【避難所】

東議員 南海トラフ巨大地震が発生する可能性が高まった場合、臨時情報が出され、津波浸水地域の住民には一週間の避難を呼び掛けることになる。最低限快適に過ごせるよう避難所の質を高める必要がある。

知事 臨時情報が発表された場合の避難所の運営費は災害救助法の対象になる。ただ、避難生活が一週間に及ぶことから、質の高い環境整備が求められるが、整備費は対象外となる場合がある。秋の国への提言活動で支援の強化を働き掛けたい。産業として育てるのも一つの手だと思う。

【待機児童】
東議員 10月から幼児教育・保育の無償化が始まった。保育士の担い手不足や待機児童の解消などを求める声もある。毎年百人程度の待機児童がいるが、解消に向けた取り組みは。

大橋子ども・福祉部長 今のところ幼児教育・保育の無償化により、申し込み人数の大きな影響は報告されていないが、今後、多様な保育ニーズが顕在化することが想定される。県では施設整備などハード面への支援だけでなく、働きやすい職場づくりに取り組むことで、保育士の確保を図っている。

 

■斎宮の情報発信強化を ―西場 信行議員(自民党)
明和町の斎宮跡で飛鳥時代の区画が見つかったことを受け、斎宮の情報発信を強化するよう要請。県当局は「観光資源としてのポテンシャルが非常に高く、効果的に発信するチャンス」とし、斎宮跡への誘客を図る考えを示した。

【大杉谷】
西場議員 大杉谷登山道が再開し、登山客が増えている。三瀬谷ではマリオットのホテル建設計画も進んでいる。大杉谷の観光振興に向けた知事の決意を聞きたい。県が策定中の観光計画に大杉谷峡谷の観光振興を盛り込んでほしい。

知事 大台町は「大台ケ原・大峯山・大杉谷ユネスコエコパーク」として登録され、県は自然体験や登山道の整備を進めている。エコパークの役割をしっかり認識し、観光振興基本計画に明記する。文化的、経済的、社会的な発展を目指して観光振興に取り組む。

【斎宮跡】
西場議員 史跡西部の調査で飛鳥時代の建物跡が見つかり、初代斎王の大来皇女に関わる区画と考えられている。全国から大きな注目が集まり、皆が発掘調査の進展を待っている。これを機に斎宮跡の発信に取り組むべき。

井戸畑環境生活部長 斎宮歴史博物館では大来皇女と壬申の乱の特別展、名張市と伊賀市では関連展示を開いている。初期斎宮の解明が進みつつある今は、観光資源としてのポテンシャルが非常に高く、効果的に発信するチャンス。斎宮への誘致を進めたい。

 

<記者席 ― 初の代表者質問、張り切り過ぎ?>
○…他会派の数倍に及ぶ膨大な質問項目を用意した東議員。「会派のメンバーが個性豊かな粒ぞろいで質問のテーマがなかなかまとまりにくかった」と説明した。

○…70分の制限時間で「答弁はなるべく簡潔に」と当局に協力を要請したが、結局は「次の質問は割愛」「次の2つは割愛」などと間引くことに。初の代表質問で張り切り過ぎたか。

○…西場議員は「二元代表制」への持論を展開。国が派遣していた知事が戦後に公選となってからは「県民代表」が県議会から知事に変わりつつあると指摘。「鈴木知事になってから、その感が強い」と語った。

○…鈴木知事の県民参加型予算が「二元代表制のあり方を大きく変える」と指摘する西場議員だからこその発言だろう。「議会は見守り、後押しをするだけで良いのか」と続け、正副議長らに〝変革〟を促した。

○…ただ、自らの質問が過去に繰り返し取り上げた質問と同じだったことに触れると、同僚議員らは「変わってないやん」と言わんばかりの大爆笑。西場議員にとっては、変えてはならないこともあるようだ。