
記録的な大雨を降らせた台風19号の通過から一夜明けた13日、三重県内各地で被害が明らかになった。強風による転倒で津市の高齢女性が軽傷を負ったほか、伊勢市や志摩市で床上浸水の被害が出た。紀北町の紀伊長島港では、高波で灯台が根元から折れて流失した。
県などによると、12日午後5時50分ごろ、避難所から帰宅しようとした女性(80)が強風にあおられて転倒し、顔に軽傷を負った。伊賀市でも強風で転んだ男性(73)が大腿骨を折り、13日午後2時現在、計2人の負傷が確認されている。
11日正午の降り始めから12日午後9時までの総雨量が観測史上最大の409ミリに達した志摩市では、大王町と阿児町で計30戸の浸水被害が発生。床上、床下浸水が計27戸と被害の大半を占めた大王町畔名地区では、13日昼過ぎまで道路冠水が続いた。
道路が冠水し、泥水が住宅の玄関先まで迫った畔名地区の女性(85)は消防のボートに救助され、避難所で一晩を過ごした。気付いたときには家が孤立していたという。自宅が床上浸水した別の女性(74)は「漬かったのは初めて。畳は全て張り替えないといけない」と語った。
伊勢神宮の神田付近一帯が広く浸水した伊勢市では計29戸の浸水被害があり、うち神宮神田がある楠部町が21戸を占めた。
紀北町では、紀伊長島港の灯台が根元から折れて流失。尾鷲海上保安部によると、12日夜の高波で折れたとみられる。復旧時期は未定。海保は仮の投光器を設置した。