三重県知事、来月スペインへ 古道と巡礼道、保存など協力

【定例記者会見で、スペイン訪問を発表する鈴木知事=三重県庁で】

鈴木英敬三重県知事は11日の定例記者会見で、11月5―10日までスペインを訪問すると発表した。熊野古道と同じく世界遺産の巡礼道を有するバスク自治州を訪れ、双方が巡礼道の保存や情報発信などで協力することを定めた覚書を結ぶ。鈴木知事がスペインを訪問するのは初めて。

財界なども含め、訪問者は60人に上る見通し。村上亘雇用経済部長と伊藤久美子南部地域活性化局長が同行する。竹上真人松阪市長、竹内千尋志摩市長、河上敢二熊野市長、久保行央多気町長も訪問する。

県とバスク自治州は昨年10月、スペインの自動車向けプレス部品世界最大手「ゲスタンプ・オートモシオン」が松阪市内に進出したことをきっかけに、産業分野で連携する覚書を締結した。

一方、バスク自治州にはキリスト教三大聖地の一つ「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」に向かう世界遺産の巡礼道がある。県は世界遺産の熊野古道と共通点があると捉え、新たな覚書を結ぶことにした。

覚書には、双方の歴史的な巡礼道を保存するための方法や巡礼道を生かした観光振興、情報発信などで協力すると定める予定。伊藤局長とバスク自治州のミケル・ムルア文化遺産局長が覚書に署名する。

また、現地のバイヤーに県産食材の魅力を紹介し、バスク自治州の企業連合に県内進出を打診する予定。「世界一の美食の街」として知られるサン・セバスティアン市のエネコ・ゴイヤ市長との面談にも臨む。

このほか、90年代に重工業の衰退で不況に陥ったが、グッケンハイム美術館(本部・ニューヨーク)を誘致するなどして文化芸術都市への再生を遂げたビルバオ市も訪問し、再生の取り組みを学ぶ。

鈴木知事は覚書の意義について「世界遺産のうち数百キロに及ぶ巡礼道は、この2つだけ。今年で世界遺産の登録から15周年を迎えた熊野古道が歴史を積み重ねる中で、保全の手法を共有したい」と述べた。