木地師の歴史を知って 盆やわんなど20点 熊野で企画展 三重

【木地師が作った椀などが並んでいる=熊野市井戸町の市文化交流センターで】

【熊野】ろくろを使って木のわんや盆などを作る職人「木地師(きじし)」の歴史を紹介する企画展「森の漂泊の民『木地師』―その伝承としごと」(市歴史民俗資料館主催)が、三重県熊野市井戸町の市文化交流センターで開かれている。13日まで。

木地師は人里から離れた山に住み、良材を求めて山から山へと移動し、市内でも紀和町や五郷町などに住んでいた記録がある。市文化財専門委員の向井弘晏さん(77)が、市内の木地師の足跡などを1年かけて調査した。

木地師の発祥地とされる永源寺地区の「小椋谷」(現・滋賀県東近江市)は、平安時代に文徳天皇の第一王子の惟喬(これたか)親王が住んだ場所とされ、ろくろを発明して木でわんを作り、住人に技術を教えたと言い伝えられる。

江戸時代には、全国の木地師を統轄した支配所が設置され、役人は全国の木地師を訪ね歩き、金銭を徴収。徴収した金額や地名を記録した冊子も残っている。

企画展は、木地師の歴史や足跡を紹介するパネル44点と、江戸時代から現在までに木地師が作った盆やわんなど20点が並ぶ。

資料館の更屋好年館長(68)は「熊野市内にも木地師の足跡があることを知ってもらいたい」と話す。