三重県議会常任委 病床削減の進捗、目標項目に 県政運営の計画を公表

【地域医療体制について説明を受ける医療保健子ども福祉病院常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は8日、総務地域連携、医療保健子ども福祉病院、防災県土整備企業の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。県は医療保健子ども福祉病院常任委で県政運営の計画を公表し、病床削減の進捗度を目標項目に設定する考えを示した。これに対し、委員から「県の課題は医師の確保や地域偏在の解消で、病床の整理が最優先される課題ではないはず」などと反発の声が上がったが、県当局は「地域に質の高い医療提供体制を構築するためで、ベッドの削減ありきではない」と理解を求めた。

 

〈医療保健子ども福祉病院=中瀬古初美委員長(8人)〉
県は策定中の「県医師確保計画」で、東紀州が医師少数区域、中勢伊賀が医師多数区域となる見込みを示した。医師少数区域で医師を増やすほか、医師多数区域から医師を派遣することを検討している。

【医師確保】
県は計画に基づいて来年度から偏在対策に取り組み、令和18年までの是正を目指す。今年11月の地域医療対策協議会で中間案について協議し、来年2月に最終案をまとめる。

計画では、県全体と二次医療圏、地域医療構想区域ごろに確保すべき医師数の目標を設定。二次医療圏よりも小さい単位で医師が不足する地域には医師を派遣するなどして調整する。

【地域医療】
県は来年度から4年間の県政運営の方針を示す第三次行動計画の中間案で、必要病床数の達成度を目標項目に置いた。在宅医療体制の整備度と合算していた第二次行動計画と比べて、県民に方針が分かりやすくするために変更した。

北川裕之委員(新政みえ、5期、名張市)は「本当に安心なのか」と病床削減を不安視。福井部長は「質の高い医療提供体制を構築するためで、削減ありきではない」と説明した。

これに対し、西場信行委員(自民党、10期、多気郡)は「病床数を目標に置くのは違和感がある」と指摘。福井部長は「どんな機能が病院に必要かという視点で議論するため」と述べた。

 

〈総務地域連携=廣耕太郎委員長(8人)〉
県当局は南部地域の課題解決を目的に設置している南部地域活性化基金を見直すと明らかにした。複数の市町が連携する事業に限って支出していたが、今後は単独の市町が実施する事業への支出も認める方針。

【活性化基金】
南部地域活性化基金は一次産業の低迷や人口流出などに直面する南部の13市町を支援するため、平成24年度に創設した。廃業した店舗の活用や特産品の開発など、延べ81の事業に約1億4千万円を基金から支出してきた。

県は南部の市町や事業の採択に関わった有識者の意見を踏まえて見直し案を策定。基金の支出は複数の市町が連携する事業に限ってきたが、「効果が複数市町に及び、他市町への横展開が期待できる取り組み」であれば、単独市町の事業にも支出することにした。

南部地域活性化局は見直しの理由について「どれだけ良い取り組みでも、市町の連携が困難な場合は事業化できないといった声が寄せられていた」「住民サービスは市町によって事情が異なるため、事業の連携が難しいケースもある」などと説明している。

委員からは「単独の市町への支出を認めることは理解できない」「慎重に考えた方が良い」などと指摘が相次いだ。南部地域活性化局は「見直しによって基金創設の目的が変わることはない」「なし崩し的に支出を認めるわけではない」と理解を求めた。

 

〈防災県土整備企業=木津直樹委員長(9人)〉
県は26、27の両日、松阪市内をメイン会場に、近畿府県合同防災訓練を実施すると発表した。県内開催は平成13年に続いて二度目。三重など2府7県から約1500人が参加する見通し。

【防災訓練】
南海トラフを震源とするマグニチュード8クラスの地震が発生し、県沿岸部などが被害を受けたとの想定で実施。各都道府県から派遣される緊急消防援助隊の近畿ブロック合同訓練と、県の総合防災訓練も合わせて実施する。

石油コンビナートや化学プラントの消火作業に特化した特殊車両や土砂崩れなどの現場でも活動できる全地形対応車が訓練に当たるほか、兵庫、奈良両県の緊急消防援助隊員らが伊賀市内で夜営する。県は訓練を通じて、他県の支援を受け入れる体制を確認する。

【人材育成】
県は迅速かつ的確に災害対応ができる県職員の育成を目的とした「県職員防災人材育成指針(仮称)」の骨子案を示した。目指すべき職員像を「県民とともに『防災の日常化』に取り組む職員」と設定。年度内の策定を目指す。

骨子案は、災害に対するイメージの欠如や災害対応や災害対策本部の運営手法などを把握できていないことを課題として認識し、職員の「行動原則」として、率先して行動する▽業務を越えて連携する▽常に一歩先を見据える―などの5点を掲げた。