
【度会郡】三重県南伊勢町五ケ所浦の伊勢現代美術館で、津市の陶芸家、高山大さん(47)の個展が開かれている。火、水曜日と17―21日は休館。
お寺で生まれ育った高山さんは、陶芸家と副住職の2つの顔を持つ。今月27日には住職に就任することが決まっていて、自分のルーツと陶芸家としての仕事の関わりを意識し、作品を制作しているという。
同展には約20点を出展。山から土を掘り出して土作りから始め、ろくろを使った成形や、玉状の粘土を親指でくぼませながら形作る「手づくね」で黒陶碗を制作。もみ殻を使った野焼きで高温のうちに作品を取り出すことにより、独特の黒い色合いに仕上げた。
極楽浄土に住むとされる美しい鳴き声の空想上の鳥「迦陵頻伽(かりょうびんが)」がモチーフの作品は、石膏の型に粘土を入れて迦陵頻伽の羽を作り、もみ殻で野焼きしてから金彩で色を付け、5つの茶碗にあしらった。
同館の担当者は「質感や色など一点一点に個性があるのでじっくり見てほしい。会期中は高山さんの黒陶碗で抹茶が飲めるので、ぜひどうぞ(450円)」と話していた。
問い合わせは同館=電話0599(66)1138=へ。