三重で島サミットを 知事と志摩市長、外務省に要望

【若宮副大臣(右)に太平洋・島サミットの県内開催を要望した鈴木知事(中央)と竹内市長=外務省で】

鈴木英敬知事と竹内千尋志摩市長は7日、外務省を訪れ、令和3年の開催が予定される「太平洋・島サミット」を県内で開くよう、若宮健嗣副大臣に要望した。鈴木知事は、志摩市を主会場に開かれた伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)の実績などを強調。若宮副大臣は「説得力のある説明で心強い」と述べた。

次回の太平洋・島サミットは複数の自治体が誘致を申請している。県も先月15日に申請したが、県内開催への「熱い思い」(鈴木知事)を伝えることで誘致につなげようと、要望も実施することにした。

この日、鈴木知事は伊勢志摩サミットで培った各国首脳らへの「おもてなし」や警備などの実績を強調。「伊勢志摩サミット後に約40の国際会議が県内で開かれ、サミットの効果を実証している」と述べた。

太平洋・島サミットに参加しているパラオと県の友好提携が、次回の開催年に25周年を迎えることもアピール。「パラオを始めとして、太平洋島しょ国との絆をより深めたい」と語った。

竹内市長は、志摩市の漁業者らが過度な競争を防ぐための「共同操業」に取り組んでいると紹介。前回のサミットで採択された宣言に盛り込まれた「漁業資源の持続可能な利用」に合致しているとアピールした。

鈴木知事と竹内市長から資料を受け取った若宮副大臣は「知事と市長から大変熱意のある話を受け、ありがたく、心強い」と述べ、誘致を申請した複数の自治体から開催地を選定する考えを示した。

太平洋・島サミットは、太平洋の島国や地域の関係強化などを目指し、日本政府が3年に1度のペースで開いている。福島県で開かれた前回のサミットには、19カ国・地域の首脳らが参加した。
■参加国との強い「絆」 2回逃した過去、雪辱なるか■
政府が令和3年に開く「太平洋・島サミット」の誘致に名乗りを上げた県にとって、誘致の実現を後押しする強みはなんと言っても伊勢志摩サミットの開催だが、実は参加国との強い〝絆〟もある。

県は参加国のパラオと平成8年に友好提携を締結。きっかけは、クニオ・ナカムラ元大統領の父が伊勢市出身だったことだった。県は締結以来、リサイクル技術の移転や「県民ツアー」などで交流してきた。

さらに、県立水産高校は9年にパラオ高校と姉妹校提携を結び、航海実習でパラオに寄港して現地の生徒らと交流している。県国際戦略課の担当者は「参加国との友好関係は誘致の後押しになる」と期待する。

ただ、誘致はそう簡単ではなさそうだ。県は平成24年と27年の太平洋・島サミットでも誘致を申請していたが、当時は沖縄県と福島県での開催が決まり、くしくも誘致を逃した経緯がある。

また、県は6月に大阪市で開かれたG20大阪サミットでも参加国の首脳らに来県してもらおうと、大使館を通じて要望活動を実施してきた。しかし、結果は1人も来県せず、活動の成果は実らなかった。

これらの雪辱を果たせるかが今回に掛かっている。要望を受けた若宮健嗣副大臣から逆に「ありがたい」と感謝された鈴木英敬知事だが、取材に「まだ何も決まってない。これから」と気を引き締めた。