津のイワシ文化広めよう 大川学園が講座、祭り食「鰯ずし」PR 三重

【津のイワシの歴史について話す(右から)大川氏、松田氏、小畑部長=津市大谷町の三重調理専門学校で】

【津】祭りにはイワシのにぎりずしを―。三重県津市のイワシ文化を紹介する食文化講座が4日、津市大谷町の大川学園三重調理専門学校であった。地域の食文化を研究する同学園理事長の大川吉崇氏(78)の講話やすし職人の松田春喜氏(69)の実演などに、事前の募集に応じた約90人が来場した。

津市の白塚漁港では古くからマイワシやカタクチイワシが水揚げされ昭和初期には祭り食として「鰯(いわし)ずし」が食された。地産地消のすし普及に取り組む「三重すし街道」相談役の松田氏が歴史ある「鰯ずし」をPRしようと同校に働きかけ、大川氏のアイデアで語呂合せが「一〇四(いわし)」となる日に講座が実現した。

講座では大川氏が室町時代に書かれた「猿源氏草子」に「伊勢国阿漕が浦の鰯売」が登場すると紹介。安濃津(現在の津市)から京へとイワシを運んだルートが「若狭の鯖(さば)街道」「琵琶湖の鮒(ふな)街道」と並ぶ「伊勢湾安濃津からの鰯街道」であるとして「これだけイワシが取れるのはすごいこと。もっと地元のものを広めよう」と呼び掛けた。

松田氏は腹開きして酢で締めたイワシの握りにガリを添えた「鰯ずし」を実演して振る舞い「白塚のイワシは小さくても脂が乗っている。鰯ずしを三重から全国に広めたい」と意欲を見せた。

津市農林水産部の小畑種稔部長(58)は県のマイワシの漁獲量が全国2位、津市は県内2位であるものの食用は1%でほとんどが飼料になると紹介。同市上浜町の加藤俊子さん(85)は「もったいない。新鮮な地元のものが身近で口に入るルートを作ってほしい」と感想を述べた。