快慶作の仏像見つかる 松阪の阿弥陀如来立像 三重県総合博物館で初展示

【快慶の作品と判明した阿弥陀如来立像(右)と地蔵菩薩立像】

三重県総合博物館(津市一身田上津部田)で5日から始まる企画展「三重の仏像」で、東大寺南大門の金剛力士像などで知られる鎌倉時代の仏師、快慶が手掛けた安楽寺(松阪市安楽町)の阿弥陀如来立像が初めて展示される。県内で快慶の作品が見つかるのは2例目。博物館は「県内に貴重な仏像があることを、多くの人に知ってもらいたい」としている。

安楽寺の阿弥陀如来立像は高さ78・2センチでヒノキ製。松阪市文化財保護審議会の委員で安楽寺の住職と知り合いだった藤田直信さん(45)が立像のレポートを書いたことをきっかけに快慶の作品だと分かった。

レポートを読んだ快慶の専門家が調査したところ、像の足元に書かれた文字が快慶の署名と判明。衣のたるみなどの特徴も快慶の作品と一致した。像の内部に文書が収められていることもCTスキャンで分かった。

県内で知られる快慶の作品はこれまで、新大仏寺(伊賀市富永)の如来坐像だけだった。同じく初めて展示される安楽寺の地蔵菩薩立像も、快慶が制作した可能性が「極めて高い」(藤田さん)という。

安楽寺に快慶の作品が持ち込まれた時期や経緯は分かっていない。今のところ文化財の指定は受けていないが、藤田さんは「いずれも保存状態は極めて良く、重要文化財に相当する貴重な像だ」と話している。

企画展では、県内の寺や地域が管理する72体の仏像を展示する。26体が重要文化財で、他もほとんどが県や市町の指定文化財。かつては「県内に存在しない」と言われていた7世紀の仏像も並ぶ。

展示を担当する瀧川和也学芸員(56)は「県内には貴重な仏像が多くあることを展示を通じて多くの人に知ってもらいたい。どのようにして次の世代に引き継ぐのかを考えるきっかけにもなれば」と話していた。

12月1日まで。午前9時―午後5時まで。観覧料は1000円(学生600円、高校生以下無料)。休館日は月曜(月曜が祝日の場合は火曜休館)。問い合わせは同博物館=電話059(228)2283=へ。