尾鷲 「荒神堂」に弘法大師像 熊野古道で有志ら再建 三重

【尾﨑さんと先祖が四国から持ち帰ったとされる弘法大師像(奥)=尾鷲市九鬼町で】

【尾鷲】熊野古道・八鬼山山頂と九鬼峠の間にあり、三重県尾鷲市内の有志らが再建に取り組んだ荒神堂(別名・日輪寺)に、同市九鬼町の住民が、弘法大師像を寄贈した。

弘法大師像は、同町の漁師尾﨑忠行さん(74)の先祖にあたり安政2年に亡くなった和藏さんが、徳島県勝浦町にある四国88カ所霊場の20番札所・鶴林寺(かくりんじ)で働いていたことがきっかけで、寺から譲り受けたとされる。

弘法大師像は木造で、高さと横約50センチ。同町の川上(こかみ)大師堂に祭られ、地元住民や尾﨑さんの妻京子さん(72)が菓子を供えたり大師堂を掃除したりして大切に守ってきた。

少子高齢化が進むなかで、弘法大師像の今後の管理について考えると「鶴林寺に返そうと思っていた」と尾﨑さん。そんな折、田崎祐一区長(76)が、荒神堂の再建の話しを知り、寄贈することを決めたという。

尾﨑さんは「全国の人が参ってくれるところへ寄贈できることはありがたい」と話している。

県教委によると、荒神堂は少なくとも400年以上前から信仰されている。お堂に祭られている石造りの「三寶荒神立像」は1576(天正4)年の作との記録があり、1978(昭和53)年に県有形民俗文化財に指定されている。

今年4月に荒神堂の所有者が、市内の有志でつくる「八鬼山荒神堂改修プロジェクト」に寄贈。プロジェクトのメンバーらが市内外から寄付を募り、尾鷲ヒノキを使ってお堂を建て替え、今月10日に完成。弘法大師像は20日に荒神堂に安置された。28日に落慶法要を執り行う。