「良好な雇用や所得環境」 政井氏が三重県内経済を評価 日銀の審議委員

【懇談会後に会見する政井審議委員=津市大門で】

日銀の政井貴子審議委員が25日、三重県津市大門の都シティ津で県内政財界のトップらと懇談し、県内の経済について「高い生産性を背景に、良好な雇用や所得の環境が実現している」と評価した。

日銀によると、審議委員が来県するのは平成27年に審議委員だった白井さゆり氏が訪れて以来、4年ぶりとなる。審議委員は経済情勢を把握するため、定期的に各地を訪れているという。

この日の懇談会には13人が出席。政井氏と清水季子名古屋支店長のほか、鈴木英敬知事や百五銀行の伊藤歳恭頭取、第三銀行の岩間弘頭取、三重銀行の坂本直樹常務、商工会議所の幹部らが参加した。

懇談会は非公開。日銀によると、政井氏は県内経済について、直近の調査で県民一人当たりの所得が全国三位となったことを取り上げて「東海経済の拡大は生産性の向上に不断に取り組んだ結果」と述べた。

その上で、県の首都圏営業拠点「三重テラス」や伊勢志摩サミットの誘致、女性が働きやすい環境の整備といった県の施策を評価。「今後も官民一体で取り組み、発展することを願う」と述べた。

また、県内で相次いだ地銀や信金の統合について「金融機関の統廃合は地元の理解を得るのが難しいケースも少なくないが、当地での統合は好意的に受け止められていると伺っている」と語った。

鈴木知事は県内総生産が増加していると説明しつつも「消費マインド全体が少し低下している恐れがある」と指摘し、中小企業や小規模企業への支援に努める意向を伝えたという。

政井氏は懇談会後の記者会見で「県内の景気は力強い成長を続けてきたとの話を伺った。三重県をはじめとする東海三県の景気は拡大しているという名古屋支店の判断を裏付ける話だった」と述べた。

一方で「中小企業には設備投資を躊躇(ちゅうちょ)する動きも見られるとのことだった」と指摘。「エネルギッシュな知事のリーダーシップの下で、県内経済が今後も発展を続けることを期待している」と語った。