伊勢 黒のり種付け始まる 業者ら早朝から作業 三重

【水車を回して網にのりの種を付ける養殖業者ら=伊勢市二見町今一色地区で】

【伊勢】のり養殖で知られる三重県伊勢市二見町今一色地区でこのほど、秋の訪れを告げる黒のりの種付け作業が始まった。今月末まで。

五十鈴川と宮川の河口域に近い同地区では、昭和30年代から黒のり養殖を開始。食い切れが良く歯ごたえや味、焼き色の発色が良いのが特徴で、平成21―23年度にかけては県内の地区別生産量が3期連続で県内最多となった。

種付けは、カキ殻で培養した黒のりの種を全長約18メートル、幅約1・2メートルの網に付着させるため、何重にも網を巻き付けた直径約2メートルの水車を回してカキ殻の入った水槽をくぐらせる。

水温が種に影響することから、業者らはまだ日の昇りきらない早朝から作業を始め、ときおり網の一部を切り取って顕微鏡で付着具合を確認していた。

種付けを終えた網は水槽で定着させた後に10月半ばまで冷凍庫で保管し、水温が23度以下に安定するころから河口域で支柱に張り出したり、いかだに浮かべたりして成育させる。収穫は11月下旬から来年3月末まで続き、12月上旬から出荷される予定。

県内の生産量は最盛期で年間約3億枚ほどだったが養殖業者の減少などから生産量は年々減り続け、昨年は最も少ない約1億1500万枚だった。

同地区でも業者はピークの45件から10件に減り、昨年の生産量は約1200万枚だった。今年は約1800万枚が目標といい、伊勢湾漁協の黒田秀夫参事(50)は「質の高いのりを生産できるよう衛生管理などに気を付けながらやれることをやる」と話していた。