朝日町 妻と2人の歩み振り返る 二紀会の松本さんが作品集 三重

【「松本善造作品集―朝日村の二人」を紹介する松本さん=津市本町の伊勢新聞社で】

絵画公募団体二紀会委員の松本善造さん(73)=三重県朝日町=が、自身と妻のいく子さん(70)の歩みを振り返る作品集「松本善造作品集―朝日村の二人」を出版した。長野県朝日美術館非常勤学芸員で美術史家の千田敬一氏に執筆と監修を依頼し約5年かけて完成したといい「こういう生きざまもある。誰かの参考になれば」と話す。

松本さんは旧三重郡朝日村出身。15歳で画家を志し東芝三重工場で働きながら制作を続け47歳で早期退職し画業に専念している。きょうだいが早世し自身も病弱なことから命の重みを感じることが多く、後世に残る作品集の出版を決めた。

A4判115ページ。前段約60ページで松本さんといく子さんの半生や作品が生まれる背景をたどり、後段約30ページで平成5―20年に制作した人物の半具象、ふるさとをテーマに心の原風景を描いた「朝日村」の連作、アザミ―など32点の作品を収録している。

松本さんと千田氏は平成19年に津市で開いた松本さんの個展が縁で出会い同21年には長野県の朝日美術館主催の個展が実現。本書は膨大な資料と聞き取りや手紙のやり取りを基に執筆された。

松本さんは「職工でも夢を持って生き意志があれば毎日の生活の中で絵の経験を積むことができる。若い人の参考になれば」と話し「妻を始め多くの友人に支えられた。これからどれだけの仕事ができるかここが出発点」と決意を述べた。

500部作成し県内では県立図書館と桑名市、四日市市の両図書館に寄贈。販売はしない。若干残部があり希望者は松本さん=〒510―8102三重郡朝日町小向2053=に郵送で申し込む。