伊勢湾台風の犠牲者を追悼 60年を前に四日市で式典

三重、愛知両県を中心に死者・行方不明者数が全国で約5千人に上った伊勢湾台風の襲来から26日で60年となるのを前に、県は21日、四日市市安島の都ホテル四日市で追悼式典を開いた。鈴木英敬知事や被災者、県市町職員、消防関係者ら約200人が出席し、犠牲者の冥福を祈った。

鈴木知事は式辞で「近年、台風や集中豪雨による被害が全国で頻発している。日本の災害史を塗り替えた伊勢湾台風の被災者から教訓を学び、防災対策の取り組みを進化させる」と述べた。続いて、知事や森智広四日市市長、住民らが献花台に花をたむけた。

被害が大きかった同市や桑名市、木曽岬町、川越町で被災した住民4人によるパネル討論もあった。当時20歳で被災し、現在桑名市で伊勢湾台風の語り部をしている伊藤学さんは「干拓地の堤防が壊れ、あっという間に家に水が入り、一カ月以上浸かっていた」と振り返った。

当時小学校4年生だった木曽岬町の大橋光則さんは「風で物が飛び交う中、祖父の背中におぶられ堤防まで逃げた。危ないので背中に布団を掛けていた」と言い、防災の教訓として「日頃から逃げる場所を決め、途中の道に危険物がないかなどを確認しておくべき」と指摘した。

伊勢湾台風は昭和34年9月26日夕から夜に掛け、紀伊半島を縦断。伊勢湾に大きな高潮を発生させ、堤防を決壊させた。桑名市や木曽岬町から名古屋市沿岸にかけての広範囲が浸水し、県内では1281人の死者・行方不明者を出した。