豚コレラで三重など8県の知事が農水省に要望

【農水省で江藤農相(右奥)に早急なワクチン接種を求める鈴木知事(左奥)ら(県提供)】

豚コレラの感染が相次いでいる問題で、三重など8県は20日、豚へのワクチン接種を求める要望書を農水省に提出した。この日、同省は豚へのワクチン接種を認める方針を示したが、防疫指針の改定には一定期間を要するほか、接種の判断は各県に委ねる見通し。一方、知事らの要望書は「国家レベルの危機事案」と強調し、国の責任で緊急に接種するよう求めた。

東海三県と長野、山梨、福井、石川、富山の知事らが合同で提出。「この一年で約13万頭が殺処分されるなど甚大な被害をもたらした。収束が見通せないどころか、広域化の様相を呈している」と指摘した。

その上で、防疫指針に規定される「緊急ワクチン」の接種を速やかに決めるよう要望。接種によって下落が懸念される豚の取引価格や風評被害についても、国の責任で対応するよう求めている。

また、韓国などで発生が確認された「アフリカ豚コレラ」についても、水際対策を強化するよう要望。有効なワクチンがないことを踏まえ、国内への侵入に備えて治療法の研究を進めるよう求めた。

この日、8県の知事らが農水省を訪れ、江藤拓農水相に要望書を手渡した。鈴木英敬知事は「ワクチン接種は生産者の不安が払拭ふっしょくされるよう、スピード感を持って進めてほしい」と述べた。

江藤農相は「過去にはワクチンを接種しており、接種した豚を食べても問題はない。農家の気持ちはよく分かる。皆さんの努力に応えるよう、接種を決めなければならない」などと返答した。

鈴木知事は要望書の提出に先立つ定例記者会見で「これだけ豚コレラが収束していない状況は、国の権限による緊急ワクチン接種の要件に該当する。国の責任でしっかりやってほしい」と述べた。