三重県内基準地価、下げ幅縮小 22年ぶり朝日町住宅地が上昇

【住宅地の上昇率が県内で最も高かった津市南が丘3丁目】

三重県は19日、7月1日時点の基準地価を発表した。県内の平均変動率は住宅地が27年連続、商業地が28年連続で下落したが、共に下げ幅は縮小。市町単位では22年ぶりに朝日町の住宅地が上昇に転じるなど、一部で下げ止まりの傾向にある。一方、中南勢の過疎地や沿岸は依然として下落が目立つ。
■住宅地
県全体の平均変動率はマイナス1・5%で下げ幅は前年より0・5ポイントの縮小。全国順位は前年より2つ上げて44位だった。172地点で下落、20地点で上昇、20地点で横ばいだった。

一平方メートル当たりの価格は前年より300円安い2万8800円。最高価格は14連続で津市大谷町の9万8千円。津波の懸念が少ない高台にあり津駅にも近く、利便性の高さから7年連続で上昇している。

一方、上昇率が最も高かったのは津市南が丘三丁目で2・0%増で初のトップに。上昇率は津市大谷町が6年連続でトップだった。南が丘は市内でも人気のエリアで、団地の取引が活発化しているという。

市町ごとの平均変動率では朝日町が県内で唯一、上昇した。市町単位で住宅地の平均価格が上昇するのは平成9年の亀山市以来22年ぶり。名古屋市内への通勤が容易な新興住宅地への需要が高い。
■商業地
平均変動率はマイナス0・9%で、下げ幅は0・5ポイントの縮小。全国順位は前年より4つ上げて33位だった。83地点のうち53地点で下落し、21地点で上昇。9地点が横ばいだった。

最高価格は9年連続で四日市市安島一丁目。一平方メートル当たりの価格は28万5千円で、上昇率も3年連続でトップだった。近鉄四日市駅前にあり、高い集客力を背景に引き続き上昇を続けている。

市町単位では、上昇を続ける四日市市と桑名市に加え、27年ぶりに津市がプラスとなった。イオンモール津南(同市高茶屋小森町)の開店などを受け、国道沿いを中心に出店への需要が高まっている。
■工業地
県全体の平均変動率はマイナス0・4%で、下げ幅は前年より0・5ポイント縮小した。7年連続で下げ幅が縮まっている。前年は下落していた14地点のうち、今年は7地点が横ばいに転じた。

新名神高速道路で新四日市ジャンクションの供用が始まり、名古屋や関西圏へのアクセスが高まっていることや、工事が進む中勢バイパス周辺への工場進出が相次いでいることが影響している。

調査に当たった県地価調査分科会の片岡浩司代表幹事は「県内経済が安定していることを受け、県内の地価は緩やかな回復傾向にある。特に工業地での改善が目立っている」と話している。

一方で「上昇や横ばいの地点は、ほぼ津市以北に限られている。南部は過疎化や高齢化、自然災害のリスクにより、山間部や限界集落を中心に需要は引き続き弱く、下落傾向にある」としている。