全国自治体、災害教訓を共有 伊勢湾台風60年、三重県内初の会議

【伊勢湾台風の教訓を説明する鈴木知事=四日市市西新地のプラトンホテル四日市で】

全国の自治体が災害の経験や教訓を情報共有する「自治体災害対策全国会議」が19日、三重県四日市市西新地のプラトンホテル四日市で2日間の日程で始まった。伊勢湾台風から60年を迎える節目に初めて県内で開催。鈴木英敬知事が「人と防災未来センター」(神戸市)の河田惠昭センター長との対談に臨み、災害時の避難行動に結び付ける「防災の日常化」の重要性を訴えた。

全国の被災自治体などでつくる実行委員会が主催した。9回目の今年は「伊勢湾台風60年―大規模風水害などへの備え」がテーマ。初日は県内外の自治体職員ら約200人が参加した。20日は公開討論会を開き、三重大の川口淳准教授が出演する。

鈴木知事は伊勢湾台風について、情報の伝達が不十分で、危険な地域が住民に知られていないなど被害を拡大させた人為的な要因があったと指摘。教訓が多様な伝達手段の整備やハザードマップ、自治体の避難勧告に生かされていると説明した。

当時の自治体が過去の被災経験を生かした事例として旧・楠町(現・四日市市)を紹介。「伊勢湾台風の6年前の台風13号を教訓として生かし、台風上陸前に避難命令を出した。伊勢湾台風で町内のほぼ全域が浸水したが、死傷者はいなかった」と述べた。

その上で、県の取り組みとして「全ての職員が防災に携われるように、部局横断的な災害対策統括部を設置した」と話し、今後の課題として「県民の防災意識は高くなったが、避難行動に結び付いていない」と防災の日常化を進める考えを示した。

対談した河田センター長は防災の日常化を「非常に良い試み。日頃やっていることの延長で対応するのが良い」と評価。将来的な災害対策の方向性を問われると「復旧・復興のスピード感が大切。復興を早めるために事前の努力が必要だと思う」と語った。