参加型予算、5000万円規模 三重県が初導入 20テーマ、県民提案募る

三重県が来年度予算案の編成から初めて導入する「県民参加型予算」の規模を5千万円とする方針を固めたことが18日、関係者への取材で分かった。防災や医療など20件のテーマで県民から具体的な取り組みを募り、県民投票を経て採用する施策を選ぶ。一方、募集のテーマや、投票の対象となる施策は県が事前に取捨選択するため、庁内では「自由度に欠ける」との指摘もある。

関係者によると、募集のテーマは防災や医療介護、子育て、環境、スポーツなど、多岐にわたる。提案を求める施策は介護職場の魅力発信やインターネットモラルの理解促進など、啓発の分野が多くを占める。

県は今月中にもインターネットなどで提案を募る。寄せられた提案からふさわしいものを選び、12月中には県民投票を実施する予定。この投票結果を踏まえて採用する施策を決めるという。

県が参加型予算を導入する目的は、県民の意見を施策に反映させることや、県政への関心を高めることが目的。財政難で事業に十分な費用を投じることが難しい状況に理解を得る狙いもあるとみられる。

ただ、あらかじめ県が抽出したテーマで提案を募集するため、県民は独自にテーマを設けて提案することはできない。庁内からは「提案の幅を広げるべき」として「自由記述覧」を求める声も上がっていた。

また、県が寄せられた提案からふさわしいものをテーマごとに一件ずつ選んだ上で投票を実施するため、県民が全ての提案の中から投票できるわけではない。投票のしやすさを重視した対応とみられる。

「参加型予算」は市民の発想を予算編成に反映させる制度。ブラジルのポルトアレグレ市が1980年代に世界で初めて導入したとされ、現在はフランスのパリ市など欧州にも広がっているという。

日本では東京都などに導入例はあるが、普及していない。鈴木英敬知事は4月の知事選で参加型予算を政策集に盛り込み、6月の県議会では来年度当初予算の編成から導入する考えを示していた。