次世代レアアース産業、創成を 南鳥島周辺海域で発見した加藤氏 本社政経懇話会

【講演する加藤氏=津市大門で】

【津】伊勢新聞政経懇話会9月例会が17日、三重県津市大門の都シティ津であり、太平洋の海底の泥にレアアース(希土類)が含まれていると発表した東京大学エネルギー・資源フロンティアセンターの加藤泰浩センター長が「画期的な海底鉱物資源『南鳥島レアアース泥』の開発による日本の成長戦略」と題して講演した。「国産資源で次世代レアアース産業を創生し、世界をけん引すべき」と訴えた。

加藤氏は平成23年7月、英国科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」で太平洋の深海底にレアアースを含む泥の大鉱床があると発表。日本最東端にある南鳥島(東京都)周辺の排他的経済水域にも超高濃度のレアアース泥鉱床があることも発見した。

講演で、加藤氏は「希少性の高い重レアアースは中国南部からしか出ないのが非常に大きな問題」と指摘。レアアース鉱山には放射性元素が含まれ、抽出作業が環境破壊をもたらすことから「日本のハイテク産業は中国での環境破壊の上に成り立っている」と述べた。

自らの研究チームが発見したレアアース泥は「含有量が高く、資源としてのバランスが極めてよい。広い海域に厚くあり、資源探査がやりやすい」と紹介。放射性元素を含まず、抽出が容易なため「環境に優しいクリーンな資源というのが最大の長所」と強調した。

南鳥島周辺のレアアースを巡って、加藤氏は「中国に気付かれないようにひそかにやりたいと考え、(英国科学誌には)書かなかった」と説明。発表に踏み切った理由を「一年待っても経産省がやろうとしない。これは駄目だと考え、発表した」と明かした。

その上で「レアアース泥に一番熱心なのは中国。南鳥島の南側で中国が先に開発をやるのではないか」と懸念を示した。「国産資源があれば経済損失を防ぐことができ、国内で産業を興すことができる」と南鳥島周辺のレアアース泥を開発する重要性を説いた。