雇用安定など労働施策推進を 連合三重が県に21項目要請

【鈴木知事(右)に要請書を手渡す吉川会長=三重県庁で】

連合三重は12日、働くことを軸とする安心社会の実現に向けた要請書を三重県に提出した。雇用の安定や持続的な経済成長など、20項目にわたって要望。県経営者協会と三重労働局にも同様の要請書を提出した。

要請書は、安定的な雇用の創出につながる分野に予算と施策を集中させるよう要請。中小企業や小規模企業が人件費の増加分を販売価格に転嫁できるよう、取引の実態把握や監視体制を強化するよう求めた。

このほか、時給千円の達成や最低賃金の引き上げに向けた施策の推進を要請。時間外労働の削減や不払い残業の撲滅に向けた取り組みや、「ブラック企業」に対する調査と指導の強化も求めた。

吉川秀治会長らが県庁で鈴木英敬知事に要請書を手渡し、「日本企業の手元に506兆円を超える現金がある一方、不払い残業は125億円に達しており、どうもおかしいというのが本音」と述べた。

その上で「個人請負という働き方が一般業種で現れるなど環境が激変している。行政や経営者団体と連携してコンプライアンスを重視させ、働く人が達成感や充実感を得られるようにしたい」と述べた。

鈴木知事は「要請を重く受け止め、施策の反映に向けて検討したい。多様な生き方が認められる制度や環境について考えなければならない。連合三重と連携して取り組みたい」と返答した。
■沈黙の15分間■
○…鈴木知事が連合三重との会合で会場に入ったのは、開始予定を15分ほど過ぎてから。知事にしては珍しい遅刻に、記者らは「総理の電話か」と冗談交じりに語った。

○…ただ、気になったのは遅刻の理由ではなく、それを待つ出席者の様子。それぞれ10人ほどがテーブルを隔てて向き合ったが、知事を待つ間は誰も話さなかった。

○…この場で労使交渉でも始まるのかと言わんばかりの緊張感。連合三重の吉川会長はあいさつで「行政との連携」を強調したが、それとは対照的な光景だった。

○…その後の意見交換では、双方がざっくばらんに語り合えたのだろうか。知事と会長の冒頭あいさつ以降は非公開だったので、残念ながら記者には分からない。