稚貝7割死ぬ アコヤガイの大量死問題 三重県、養殖業者の経営支援へ

三重県内でアコヤガイが大量死した問題で、県は9日、県内の真珠養殖業者を対象に実施した調査の結果を発表した。海中への投入から数カ月しかたっていない稚貝の7割が死んでいることが判明。投入から1年以上が経過している貝でも2割超が死んだ。県は「原因の解明を待っていては対策に遅れが出る」として、養殖業者への経営支援に乗り出す。

アンケートはアコヤガイの大量死を受け、県水産研究所と県真珠養殖連絡協議会が8月19―30日にかけて実施。県内で真珠養殖業を営む252者に配布し、48%に当たる122者から回答を得た。

回答結果では、今季の核入れに使われた「3年貝」の死亡率は24%と、平年の1・5倍となった。来季の核入れに備えた「2年貝」の死亡率も平年は9%だったのに対し、今年は2倍以上の23%に上った。

また、2年後の核入れに備えて養殖している稚貝の死亡率は70%に上った。平年の死亡率は15%程度といい、ほぼ5倍に当たる。稚貝の多くは今年の5月から6月に掛けて海中に投入された。

多くのアコヤガイが死んだ時期は6月上旬―7月下旬ごろで、ピークは7月中旬だったことも判明。貝殻を組成する「外套膜」が縮む症状のある貝の割合が、2割を超えていることも分かった。

これらの結果を基に、県は国の増養殖研究所と協力して原因の究明を進める。感染が原因かを調べる試験や感染源の細菌などを特定する遺伝子検査を進めており、いずれも10月末には結果が判明する見通し。

養殖業者の経営支援も始める。県栽培漁業センター(志摩市)などで稚貝の増産に向けた調整に当たっているほか、経営再建や稚貝の購入などを目的に受ける融資の利子を10月1日から無償化する。

鈴木英敬知事は9日のぶら下がり会見で「複数年にわたって養殖に影響が及ぶことは、極めて深刻に受け止めなければならない。養殖業者の声をしっかりと受け止め、対策を進めたい」と述べた。