
【伊勢】三重県の伊勢市議会産業建設委員会(上村和生委員長、8人)は26日開き、市当局から市内公共交通機関の再編計画について報告を受けた。市は現在社会実験中の市内循環バスを踏まえて既存バス停241カ所のうち62カ所を統廃合し、ルートの見直しを図る考えを示した。
同市交通政策課によると、市内では現在コミュニティバス「おかげバス」と、事前予約制の「おかげバスデマンド」、交通不便地域に配慮した「沼木バス」を運行しており、加えて1月からは利便性向上を目的に、「市内循環バス」の社会実験運行を実施している。
市内循環バスの正式な運行を見越して、年間の乗降者数が24人に満たない既存のバス停を原則廃止とするほか、利用者の少ない地域は要望に応じて事前予約で運行するデマンド方式に移行する。重複区間やダイヤの見直しを進め、既存11経路を10経路に統廃合するとしている。
再編に伴う運行経費は平成30年度と比較して、2702万9千円増の1億3698万円となる見込み。運賃収入や、特別交付金など国からの補助を差し引きした市の推計負担額は、同年度比較で64万6千円増の557万1000円としている。
意見交換会を通じて各地域と議論を進めてきたといい、今後は議会などを通じて時間帯などを併せた具体的な計画案やスケジュールを11月に示すという。