外湾漁協の検査を請求 志摩・安乗の漁業者ら、三重県に 補償金巡り違法性訴え

【記者会見で、県への請求を発表する村田弁護士(右端)ら=三重県庁で】

海底ケーブルの敷設に伴う漁業の補償金や漁業者への配分が不適切な方法で決められたとして、三重県志摩市安乗地区の漁業者らが21日、水産業協同組合法(水協法)に基づき、三重外湾漁業協同組合の業務や会計を検査するよう、県に請求した。県は請求を受理したが、請求が水協法の要件を満たしているかを確認した上で検査の実施を判断する方針。

請求したのは、三重外湾漁協の安乗事業所に所属する158人。安乗事業所には456人が所属しており、請求者らは水協法が請求の要件とする「10分の1以上の同意」を満たしたと主張している。

請求書によると、安乗事業所は平成26年と27年、通信用の海底ケーブルを志摩市沖に敷設した民間2社から、補償金や漁業振興協力金などの名目で、計約2億8千万円を受け取った。

これに対し、請求者らは「漁協は総会や部会を開かず、一部の組合員だけで補償の金額や配分を決めた」などと指摘。過去の判例などを踏まえ、漁協の手続きには違法性があると訴えている。

請求者らは平成29年5月、この問題に関連して三重外湾漁協などを相手取り、配分の同意を得る総会を開かなかったことの違法性を確認する民事訴訟を津地裁に提起した。訴訟は現在も続いているという。

この日、請求者の代表や三重合同法律事務所の村田正人弁護士が県庁で記者会見した。請求者らは「私たちには配分の基準も知らされていない。県は適切に検査してほしい」などと述べた。

県団体検査課は「請求が水協法の要件を満たすかを確認した上で、検査を実施するかを判断する。安乗事業所だけでなく、組合全体の10分の1以上で同意を得る必要がないかも検討したい」としている。