熊野で盆の伝統行事 「火とぼし」と「ジャジャツク」

【熊野市指定無形民俗文化財のジャジャツク=熊野市飛鳥町神山の光福寺で】

【熊野】三重県熊野市指定無形民俗文化財で、初精霊の供養をする伝統行事「火とぼし」と、太鼓と鐘をたたいて、盆踊りの始まりを告げる「ジャジャツク」が16日夜、同市飛鳥町神山区で開かれた。

火とぼしは、初盆を迎えた家から墓までの道のりにろうそくを108本立てて、亡き人の魂を送る伝統行事。ジャジャツクは、「シャマタ」と呼ばれる二股の棒を右手に持って太鼓と鐘を同時に鳴らし、左手は「シュモク」と呼ばれるバチで太鼓をたたいて演奏する。

江戸時代末期から続く行事とされる。かつては市内の至るところで行われていたが、現在は神山区のみという。同区では戦時中に一時中断したが、現在は「神山ジャジャツク盆踊り保存会」が伝統を守っている。例年、15日に開かれるが、台風10号の影響で16日に延期された。

この日は、初盆を迎えた二階堂孝生さん宅に住民が集まりお経をあげた後、自宅から墓までの約700メートルの道のりに設置されたろうそくに火をともしながら歩いた。

その後、近くの光福寺で、二階堂昭さん(60)らがジャジャツクを披露し、住民らが大和、甚句、三ツ拍子の三種類の盆踊りを踊って先祖を供養した。

40年以上、保存会会長を務めていた福田千米保ちまほさん(90)は「若いときは、人の輪が三重になって踊っていた。人が減ってきたが、これからも伝統を守ってほしい」と話していた。