芦浜反対運動が冊子に、原発なくせ県民会議、風化を懸念

【完成した冊子を手にする唐沢さん=県庁で】

原子力発電に反対する市民団体「原発なくせ三重県民会議」は9日、中部電力が熊野灘の沿岸を候補地に計画した「芦浜原発」を巡る運動の歴史をまとめた冊子「熊野灘そして芦浜」を発行したと発表した。

中電が熊野灘での原発計画を発表してから半世紀以上が経過する中で、風化が懸念される住民運動の歴史を残そうと作成。同団体の7人が関係者への聞き取りなどを元に、約3年間を費やして編集した。

同団体の前身に当たる「原発反対三重県民会議」などが展開した反対運動を中心に扱った。推進派との衝突も掲載。反対派が受けた嫌がらせや、推進派らによる「地元工作」も明かしている。

署名運動で実行委員長を務めた南伊勢町の大石琢照さんや原発建設成否の「主戦場」となった古和浦で反対運動を展開してきた小倉正巳、紀子夫妻へのインタビューや、編集者らの手記も載せた。

同団体の世話人代表で中電元社員の唐沢克昭さん(75)は「かつて原発を巡る大規模な運動があったことを冊子で多くの人に知ってもらいたい。放射性廃棄物の処分に不安がある現在でも参考になるはず」と話す。

A4サイズで108ページ。県内全ての公立図書館と大学に配布した。希望者には1冊500円(送料別)で販売する。購入に関する問い合わせは唐沢さん=電話090(2262)4155=へ。