原爆投下前後の街並み、VRで再現 広島と県内の高校生が平和へ活動発表

【平和に向けた取り組みについて意見交換する三重、広島両県の高校生=津市一身田上津部田で】

三重、広島両県の高校生14人が9日、津市一身田上津部田の県総合博物館で、戦争や被爆体験の記憶を受け継ぐ活動の成果を発表した。戦争体験者へのインタビューや原爆投下前後の広島市を再現した仮想現実(VR)を披露したほか、平和に向けた取り組みについて意見交換した。

平成28年の伊勢志摩サミットで米大統領が両県を訪問したのを機に、戦争や原爆の記憶を次世代に引き継ごうと毎年両県の高校生が交流。三重県からは県立久居農林高、松阪高の2校、広島県からは県立福山工業高、広島女学院高の2校が参加した。

久居農林高の放送部員らは、校内で防空壕(ごう)の跡を見つけたのをきっかけに、市内に残る空襲の爪痕や空襲経験者のインタビューを映像にまとめた作品を披露。活動を通じて「私たちの街にも戦争はあったと感じることができた」と振り返った。

広島県立福山工業高の生徒らは、VRなどの最新技術を使って原爆投下前後の広島市内の街並みを再現する活動を紹介。「海外からもVRを体験しに来校する人が増えた。世界の国々の人に核の恐ろしさを知ってもらえてとてもうれしい」と手応えを示した。

発表後には、4校の代表生徒が取り組みを通じて学んだことについて意見交換。広島女学院高2年の田口谷絢音さん(16)は「私たちは被爆者の記憶を次の世代に伝えることを目標に活動している。白黒写真では遠い過去に感じるので、VRなどで身近に感じてもらえたらいいと思う」と話した。

三重県立松阪高2年の坂口恵さん(17)は、各校の取り組みに「知らないことがまだまだたくさんあると感じた」と感嘆。「私たちにできることがもっともっとある。人に伝えて心に残してもらうことが次の平和への一歩だと思う」と語った。