伸縮自在の冷却材開発 三重化学工業、医療用に 岐阜メーカーの新素材使用

【新商品を鈴木知事(右)に紹介した山川社長=三重県庁で】

保冷剤の製造や販売を手掛ける松阪市大口町の「三重化学工業」は6日、医療用の冷却剤を開発したと発表した。岐阜県の会社が開発した新素材を活用し、柔らかい肌触りを実現。医療福祉分野での連携を進める三重、岐阜両県にとって、初の商品となった。同社の山川大輔社長(41)が同日、県庁で鈴木英敬知事に新商品の完成を報告した。

商品名は「ぷるCUREアイスパック」。フィルムでゲルを覆った一般的な保冷剤と異なり、外装の柔らかさが特徴。両端を引っ張ると伸びるため、腕や首に巻いて密着させることもできる。

「冷却剤はフィット感がない」という医療関係者の声を受けて開発。岐阜県の素材メーカー「タナック」が開発した「クリスタルゲル」と呼ばれる素材を外装に使い、三重化学工業が冷却剤の製造を担った。

クリスタルゲルは、保冷剤の外装に使われる一般的なフィルムに比べて素材同士が接着しにくかった。このため、山川社長らは製造方法を試行錯誤。県工業研究所からアドバイスを受けて完成にこぎ着けた。

医療機器として認定を受け、主に病院で販売する。発熱時や炎症を起こした患部などへの使用を想定。東京オリンピックのアスリートなど、スポーツ業界で活用してもらうことも検討している。

この日、山川社長は「腕に巻いて注射すると痛みがないと、子どもたちに喜んでもらえた」と、実際に使用した病院の反応を紹介。「今後も人の手助けができる商品を開発したい」と語った。

鈴木知事は「触り心地が全然違う。体にしっかりフィットし、安心感がある」と絶賛。「若い世代が活躍していることをうれしく思う。これからも新たなチャレンジを続けてほしい」と激励した。