豚コレラの防疫措置完了 三重県知事、ワクチン投与を要望へ

【豚コレラ対策本部員会議で今後の対策を指示する鈴木知事(中央)=三重県庁で】

三重県いなべ市内の養豚場で感染が確認された家畜伝染病「豚コレラ」の防疫措置が30日夜、完了した。現段階で、この養豚場以外に県内で感染が疑われる事例はないが、県は引き続き感染拡大と風評被害の対策を進める方針。鈴木英敬知事は8月1日、豚へのワクチン投与を求める要望書を吉川貴盛農林水産相に提出する。

感染が確認された24日以降、県や市町の職員、自衛官、民間事業者ら延べ3100人が殺処分や埋設の作業に当たった。うち獣医師は178人で、一都23県と国から65人が派遣された。

感染拡大を防ぐため、県は引き続き養豚場付近を通行する畜産関係の車両を消毒する。県内の養豚場を巡回して野生イノシシの防護柵を強化するよう求め、鳥や小動物の侵入対策も呼び掛ける。

風評被害の対策では、2500枚のポスターと1万枚のチラシ、1万個のポケットティッシュを作成し、8月上旬から県内の精肉店やスーパーなどに配る。県庁内に「食の相談窓口」も設けている。

鈴木知事は31日の豚コレラ対策本部員会議で、感染拡大や風評被害の防止に加え、感染が確認された養豚場への支援にも努めるよう指示。「大変な暑さの中で頑張った職員をねぎらってほしい」と述べた。

この後、報道機関を通じて「豚コレラは人に感染しない。感染した豚の肉は市場に出回らず、仮に食べても人体に影響はない。国や県の正しい情報に基づき、冷静な対応をお願いする」と県民に呼び掛けた。

報道陣の取材に対し、ワクチン投与の要望を受けた国の反応について「極めて慎重な答えが想定される」としつつも「大事なのは、これ以上の感染を出さないことと、生産者に寄り添うことだ」と述べた。