鈴鹿山脈の植物を一冊に 今村さんが自費出版 三重

【「少しでも自然保護の役に立てば」と話す今村さん=鈴鹿市岸岡町で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市岸岡町のパート職員、今村悦子さん(69)はこのほど、鈴鹿山脈の植物をまとめた「鈴鹿の山 花図鑑」を3千冊、自費出版した。

B6判、オールカラーの592ページ。鈴鹿山脈の油日山から霊千山に自生する植物約2029種のうち、鈴鹿山脈では希少なラン科のサルメンエビネやイイヌマムカゴ、鈴鹿山脈で初めて発見されたというネギ科のステゴビルなど約1031種の写真と解説などを掲載。乱獲防止のため具体的な撮影場所は書いていない。

今村さんは40代から登山を始め、山野草に興味を持った。14年ほど前に鈴鹿山脈の花を紹介する本を出版したが、掲載しきれなかった草花も多かったことから「次は図鑑を作ろう」と、今年5月まで作製に取り組んできた。

作製には今村さんのほか、山を通じて知り合った環境省希少野生動植物保存推進員で日本植物分類学会員の村長昭義さんなど、県内外の花好きな仲間4人が参加。個々が登山活動の中で植物の観察や撮影をし、毎月集まって編集作業を続けてきた。内容はほぼ村長さんが監修したが、昨年亡くなったため一部は既存の植物図鑑を参考にした。

今村さんは「鹿の食害や環境変化、盗掘などで14年の間に貴重な鈴鹿山脈の植物が激減しており、記録に残すことの大切さを感じた。今回の出版が自然保護に役立てば」と話した。

県立博物館ミュージアムショップ、御在所ロープウェイ売店など、県内6カ所で委託販売している。1冊2千円。