公選法違反で10カ月求刑 三重県議選、事前運動を働きかけた男

三重県議選(3月29日告示、4月7日投開票)で鈴鹿市選挙区から出馬した候補者を当選させるために事前運動を働きかけたなどとして、公職選挙法違反(事前運動、日当買収)の罪に問われた鈴鹿市国府町、大工藤田直躬被告(71)の公判は24日、津地裁(平手一男裁判官)で論告求刑があり、検察側は懲役10カ月を求刑した。

検察側は論告で、「長年選挙運動に携わり、違法性を十分知りながら20歳前後の若者を違反行為に巻き込んだ点は軽視できない」と指摘。多数の運動員に報酬を約束し、実際に支払ったとして「選挙の公正さは現実に害されて被害結果は大きい。運動員の確保が困難だったとする経緯や動機に酌量の余地はない」としたうえで、「民主主義を脅かす悪質な犯罪であり、公民権を停止して相当長期間選挙に関与させない必要がある」として執行猶予を付ける場合は公民権を5年間停止すべきとした。

弁護側は最終弁論で、「鞍替え選挙に伴い、要を失い弱体化した選挙対策本部で、最低限の運動員を確保できないことに焦りを強め、危機的状況からやむを得ない方法として犯行に及んだ」と主張。地元の自治会長や自治会連合会副会長を務めるなど地元の名士として地域に貢献していたが逮捕報道により辞任し、二度と選挙運動に関わらないことを決意しているなどとして、「罰金刑や執行猶予付判決が相当」と述べた。

論告によると、藤田被告は特定の候補者を当選させるため、孫=同罪により罰金刑が確定=と共謀して届け出前の3月17日から31日ごろまでの間、選挙運動者10人に運動への報酬として金銭を供与する約束をし、同30日から4月8日までの間、うち7人に報酬として現金合計25万6千円を支払ったとしている。