豚コレラ 1日遅れの殺処分作業 国が感染判断保留 検査精度にも注文 三重

【養豚場に向かう職員ら=いなべ市内で】

三重県内の養豚場で感染が確認された豚コレラ。県は検査結果を踏まえて23日夜にも殺処分を始める想定だったが、国が感染の判断を留保したことで、作業は結果的に丸一日遅れることとなった。

養豚場の豚は県と国が23日までに実施した遺伝子検査で陽性だったが、専門家でつくる農林水産省の牛豚等疾病小委員会は、より詳細な検査を指示。24日に再検査した結果も、前日と同じ陽性だった。

にも関わらず、なぜ国の小委員会は当初、感染の判断を留保したのか。「養豚場の豚に食欲不振などの典型的な症状がみられない」ことが根拠だが、県によると、検査の精度にも注文が付いたという。

過去に検査した野生イノシシのウイルスが検査の機器に付着するなどした場合には、誤った結果が出るケースも想定される。ただ、県は「検査は厳格に実施した」と説明。国の検査も県と同じ結果だった。

慎重な判断の背景に「殺処分の影響を考慮したのでは」との見方もある。殺処分は養豚場の経営に大きな打撃を与える。県の担当者は「正確性と迅速性の双方が求められる難しい判断だったのだろう」と話す。

ただ、防疫措置には迅速さも求められる。豚コレラは感染力が高く、放置すれば感染拡大のリスクが高まる。担当者は着手が想定よりも遅れたことについて「今はできるだけ早く作業するしかない」と語った。