いなべで豚コレラ、感染確認 三重県内養豚場で初

【豚コレラ対策本部員会議で、対応を指示する鈴木知事=三重県庁で】

農林水産省は24日、三重県いなべ市内の養豚場で、家畜伝染病「豚コレラ」の感染を正式に確認した。県は同日夜、この養豚場で豚の殺処分に着手。飼育する約4千頭の豚を今月中にも全て殺処分する。岐阜県内で発生した昨年9月以降、三重県内の養豚場で豚コレラの感染が確認されるのは初めて。愛知、岐阜両県に続いて3県目となる。

この養豚場では22日午前、豚2頭が死んでいるのが見つかり、県中央家畜保健衛生所(津市)と、国の専門機関「農業・食品産業技術総合研究機構」(東京都)による23日の検査で陽性反応が出た。

一方、国は「慎重に調べるべき」として県に再検査を指示。再検査の結果も陽性だったことから、正式に判断した。この判断を受けて、県の「豚コレラ対策本部」は養豚場が飼育する豚の殺処分を決めた。

殺処分の作業は、24日午後9時ごろから始まった。県職員と自衛官の計65人が、養豚場付近に設置された仮設のテントで防護服や長靴などを着用した後、一列になって養豚場に入った。

県によると、県職員と自衛官の延べ約1300人が殺処分の作業に当たるほか、豚の埋却や養豚場の清掃にも約500人以上が従事する見通し。周辺の消毒などを経て、8月27日の終息を目指す。

この養豚場は岐阜県境付近にあり、6月8日から監視対象となっていた。半径10キロ圏内に他の養豚農家はない。県内では、この養豚場以外で感染の疑いがある情報は寄せられていないという。

殺処分に先立ち、県は豚コレラの感染を受け、警戒レベルを2段階のうちで高い方の「A体制」に移行した。豚コレラ対策本部の本部長を、服部浩危機管理統括監から鈴木英敬知事に切り替えた。

鈴木知事は同日の本部員会議で、職員らに「市町や関係機関と連携し、全庁を挙げて防疫の徹底や風評被害の防止などに努めてほしい」と指示。陸上自衛隊第33普通科連隊に対し、災害派遣を要請した。

この後、鈴木知事は報道陣の取材に「さまざまな対策を進めてきたが、大変残念に思う。早期収束に向けて取り組む」と説明。テレビカメラを通じ、養豚場周辺での交通規制への協力を県民に呼び掛けた。