漁業の効率化、実証実験 尾鷲で企業2社、ICT活用 三重

【センサーが付いたスマートブイを沈める関係者(中央)=尾鷲市須賀利町の須賀利沖で】

【尾鷲】東京都内で居酒屋などを経営する「ゲイト」(東京都墨田区)と通信会社「KDDI総合研究所」(埼玉県ふじみ野市)は、ICT(情報通信技術)を活用した漁業の効率化を目指したスマート漁業の共同実証実験に取り組んでいる。

ゲイトは、高齢化や後継者不足にあえぐ漁業の現状に危機感を持ち、漁船を買い取り、平成30年から三重県の尾鷲市須賀利町で定置網漁を開始。取れた魚を加工して自社の居酒屋で提供している。今年5月からは隣の熊野市でも小型定置網漁を始めている。

KDDI総研は、漁業の効率化を目指して、28年からセンサーで水温と波の高さを測る軽量で小型のスマートブイなどの機材を開発。同年から宮城県東松島市で同社として初めて漁業の実証実験を行っている。両社は以前から付き合いがあり、漁業を効率化、活性化したいゲイトとデータの拡充や分析の向上につなげたいKDDI総研が共同で実験を行うことにした。

実証実験は今年4月から開始。スマートブイを須賀利漁港から船で約20分の漁場に3個浮かべ、1つのブイで水深1・5、10、20メートルの水温と波の高さを測定する。別の場所では、カメラ1台を海中に設置し、魚を撮影している。

集めたデータはKDDI総研が管理し、分析する。漁師の経験と勘に頼るよりもデータを蓄積することで、魚種や漁獲量などを予測できる。計画的に出漁することで、人件費や燃料コストの抑制につながるという。また、波の高さを測ることで、漁を取りやめるかなどを判断し、危険を回避する。

KDDI総研の大谷朋広執行役員は「よりよい成果につなげられるように取り組んでいきたい」と話している。