新時代へ「団結を」 本紙政経懇話会 50周年で三重県知事講演

【伊勢新聞政経懇話会創立50周年特別例会で講演する鈴木知事=津市大門で】

鈴木英敬三重県知事は17日、津市大門の都シティ津で開かれた伊勢新聞政経懇話会創立50周年特別例会で「新時代の三重『スタートと挑戦』」と題して講演した。県民が総力を挙げて取り組むことを意味する「オール三重」の成果を紹介した上で「皆が一致団結して前に向かうことが大事」と強調。三重とこわか国体で目標に掲げる総合優勝の獲得や、リニア中央新幹線の開通で懸念される「ストロー現象」の解決に向けて協力を求めた。

鈴木知事は平成21年の衆院選三重2区で落選したが、2年後の知事選で初当選した自らの経験を踏まえて「努力は裏切らない」と強調。「オール三重の努力も裏切らない。多くの皆さんに協力いただき、さまざまなことを前進させたい」と語った。

オール三重の成果に、平成28年の伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)を挙げた。30年の観光消費額が過去2番目に高く、観光入り込み客数は過去最高を更新したと紹介。「マクロデータでは、オール三重の成果が上がっている」と強調した。

その上で「まちづくりもオール三重で進めたい」と強調。リニア中央新幹線の開通によって大都市に地方の資本が吸い上げられる「ストロー現象」を食い止めるために「皆さんから、まちの魅力を高めるための意見や指導をいただきたい」と語った。

防災の取り組みでも協力を要請。伊勢湾台風の発生から今年で60年が過ぎることを踏まえて「危機感や緊張感が失われてはならない」と指摘。当時の教訓を知るイベントや追悼式典を開くことを紹介した上で「皆さんと防災について考えたい」と述べた。

中小企業の経営者や小規模事業者に対しては、BCP(事業継続計画)の策定を要請。「災害時に早く復旧できることが、自分や仲間、サプライチェーンのためになり、地域にとっては希望の光となる。生産性を向上させる機会にもなる」とアピールした。

2年後の三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)についても、寄付への感謝を述べた上で「オール三重の力で取り組みたい」と、さらなる協力を要請。競技力向上でも県民の協力を得て、目標の総合優勝を達成する考えを示した。

また、創立50周年を迎えた伊勢新聞政経懇話会について、鈴木知事は「アンテナ高く講師を選んだことに加え、来場者の受信力があるからこそ長く続いてきたのだと思う」とした上で「私も50年の歴史を深く踏まえ、講演で旬の話題を提供したい」と語った。

活躍する県民を取り上げた本紙の連載「365日のMVP」については「メディアでネガティブなニュースが多く流れる中で、頑張る人に焦点を当てた素晴らしい特集だった」と評価。「県に誇りを持てる企画を今後も期待している」と語った。

この日は県内政財界から約150人が出席した。講演後の祝賀会では、伊勢新聞社の小林千三社長と共同通信社の鈴木博之名古屋支社長があいさつ。「365日のMVP」で最後を飾った九鬼産業の九鬼紋七会長の音頭で乾杯し、政経懇話会創立50周年を祝った。