「全力でプレーを」 高校野球三重大会 鳥羽、部員1人から単独出場へ 三重

【全国高校野球選手権三重大会開会式で旗手の浅田主将を先頭に入場行進する鳥羽ナイン=四日市ドームで】

全国高校野球選手権三重大会は県内62校が参加して11日に開幕した。2017年以来の単独出場となる鳥羽は前年度優勝校の白山と対戦する13日の1回戦に登場する。昨年夏の県大会以降部員1人の状態から、他の運動部からの借り出しを含め総勢13人で大会にエントリー。中心となってメンバーを集めた3年生の浅田俊哉主将は「開会式を終えてほっとした。初戦に向けしっかり準備して全力で戦いたい」と抱負を述べる。

鳥羽市安楽島町の鳥羽高校グラウンドでノックの練習が始まった。少し難しいフライを好捕した選手に西川一帆監督から「よう取ったな」と声が飛ぶ。返球を受けながら誰よりも大きな声で練習を盛り上げるのは3年生捕手の浅田主将。数少ない野球経験者として攻守でチームのけん引役。「暗い雰囲気でやりたくないから」と、練習中も率先して声を出すようにしているという。

小さい頃から野球に親しみ、中学時代は硬式野球チームにも所属した。高校入学後は練習環境に恵まれず、公式戦は1年夏の県大会を最後に合同チームでの参加が続いた。1学年上の先輩が引退した昨年夏以降は部員が1人だけとなったが、松阪高時代の2012年夏、甲子園出場を果たした経験を持つ西川監督とマンツーマンで技術を磨いてきた。

「高校最後の大会は単独チームで」。新学期が始まると夏の県大会に向けた部員集めが始まった。2年生マネジャーの鈴木愛海さんがパソコンで制作したポスターを校内に張りだし、自分も積極的に声をかけた。こうして1年生5人が入部。レスリング部、陸上部など他の運動部からの助っ人も練習に加わってくれることになった。

あけぼの学園、志摩と合同チームで出場した春の県大会地区予選が終わると、学校での練習が本格化した。浅田君以外未経験者が多く基礎的な練習がほとんど。けが防止のため、西川監督のアイデアでテニスボール、リアクションボールなど硬球以外を使った練習も多い。浅田君自身も「初心者が多い。最初は夏、大丈夫かと不安もよぎった」。

それでも日々成長する後輩らの姿を見るのは楽しみだ。野球経験のない1年生の松本武蔵君は身体能力の高さから投手に抜てきされた。浅田君自身夏の県大会で本塁打を放つという目標に向かい練習を積んできた。多彩な練習メニューで鍛えてくれた西川監督からは「全打席ホームランを狙っていけ」と背中を押されている。「その期待に応えたい」と意気込んでいる。