参院選公示 3氏、激戦へ火ぶた 三重

参院選は4日公示され、21日の投開票に向けた選挙戦の火ぶたが切られた。三重選挙区(改選数1)は、自民党の現職、吉川有美氏(45)=公明党推薦=、NHKから国民を守る党の新人、門田節代氏(51)、無所属の新人、芳野正英氏(44)=立憲民主党、国民民主党推薦(届け出順)が立候補し、三つどもえの戦いとなった。

6年前の参院選で15年ぶりに議席を獲得した自民は、三重選挙区を全国屈指の「激戦区」に位置付け、吉川氏の再選を目指す。公示前から菅義偉官房長官ら政界の大物を招き、決起大会を開いてきた。

対する野党は、三重民主連合が擁立する芳野氏に候補者を一本化。野党統一候補が当選した3年前の再現を目指す。前職が四日市市選出の県議だったため、南部などで指摘される知名度不足の克服に注力する。

NHKの受信料問題に的を絞る門田氏は4日、一人で立候補の届け出会場を訪れて手続きを済ませた。今後の個人演説会などは予定しておらず、インターネットの動画配信などを通じた独自の戦いで臨む。

期日前投票は5―20日の指定された時間に、県内の公共施設など94カ所で実施される。3日現在の選挙人名簿登録者数は150万7500人(男73万1317人、女77万6183人)

吉川有美候補(45)自現 ― 世界に誇れるモデルを

吉川氏は午前8時40分すぎ、津市羽所町の津駅前で出陣式に臨んだ。支持者ら約800人(主催者発表)を前に「新しい令和の時代に持続可能な社会をつくるため、県を世界に誇れるモデルにしたい」と訴えた。

吉川氏は「私たちの生活や将来を安心したものにしていくには、しっかりとした政治が必要。皆さんの声を実現できるのは自民党、公明党の政権与党と確信している」と主張した。

その上で「6年前、奇跡と言われる勝利をつくってもらった。皆さんから与えていただいた議席を、なんとしても渡すわけにはいかない」と強調。「6年前にいただいた力をいま一度、賜りたい」と支持を求めた。

出陣式には、党選対委員長で元経済再生相の甘利明衆院議員が出席。「共産党が後ろ盾になっている候補者に(議席を)渡すのか、それとも自公政権で安定多数を取るために吉川有美を送るのか。正しい選択をしてほしい」と訴えた。

県選出の国会議員は、県連選対本部長の三ツ矢憲生衆院議員と県連顧問の田村憲久衆院議員が出席。三ツ矢氏は「6年前に奪還した議席を、なんとしても死守させてほしい」と呼び掛けた。

吉川氏は締めくくりに「エイエイオー」を三唱し、選挙カーに乗り込んで街宣に出発。桑名、四日市、鈴鹿、亀山、伊賀、名張の各市を巡った。午後から四日市市安島一丁目の市民公園で開いた街頭演説には、菅義偉官房長官も応援に駆け付けた。

■門田節代候補(51)N新 ― NHK任意受信可能に

門田氏は午前9時15分ごろ、津市広明町の県庁前で街頭演説した。「(NHKの受信料を)不払いして正常に導く、それが国民の命を守ることになる」と述べ、任意で受信を選択できる「スクランブル放送」の導入を訴えた。

門田氏は「私たちはユーチューブでおなじみのNHKから国民を守る党で、既存の政党とは違ってネットを中心に支持をいただいている。とてもユニークな政党。全国から40人近くの立候補者が出ている」と紹介した。

「NHKの受信料制度は不公平」と批判。「見たい人だけがお金を払い、見ない人の権利を守るべき。見ない人は受信料を払わないことでNHKを正常化させることを推し進めている」と訴えた。

その上で、同党からの立候補者について「本当に名も無き市民。何の後ろ盾もない、お金もないが、それぞれが住所や携帯番号を公表して頑張っている。そんな立候補者が集まっているのはNHKから国民を守る党だけ」と強調した。

門田氏は演説の締めくくりに「がんばりまーす」と声を張り上げ、通行人に「NHKから国民を守る党です。皆さんインターネットで検索してください」と呼び掛けた。

門田氏は同日午前8時ごろ、一人で県庁の講堂を訪れ、自ら立候補の手続きを済ませた。この日は県庁前だけで演説。ポスターの掲示は5日以降の予定で、今後はインターネットで動画を配信する。

■芳野正英候補(44)無新 ― 生活者に寄り添う政治

芳野氏は午前10時、四日市市安島一丁目の近鉄四日市駅の東口で出陣式に臨んだ。支持者ら約350人(主催者発表)を前に「国会で人々を救う手立てが議論されていないことが本当に許せない。安倍政権を変えて生活者に寄り添う政治にしたい」と訴えた。

芳野氏は「介護に苦しむ高齢夫婦、非正規雇用で結婚や普通の幸せすら望めない若者、児童虐待におびえながら生活する子どもたちの声が内閣に届いているのか」と指摘。「安倍政権は参院選が終われば憲法改正に乗り出す」と述べ、安保法制も批判した。

その上で、安倍政権について「変えるべき国民の生活を変えずに、変える必要がない憲法を変えていくという、あべこべの政治をしている」と主張。「今の政治を変えたいという思いは誰にも負けない。必ず勝ち抜き、今の政権に打撃を加える」と訴えた。

出陣式には、県内の旧民進党系国会議員や同党系の県議会会派「新政みえ」の県議、連合三重の吉川秀治会長ら「三重県方式」を構成するメンバーが出席。野党候補を芳野氏に一本化するため、独自候補を取り下げた共産党県委員会の幹部や県議も訪れた。

芳野氏は締めくくりに支持者らと「ガンバロー」を三唱した後、選挙カーで遊説。出陣式に先立ち、同市諏訪栄町の諏訪神社で必勝を祈願した。この日は同市のほかに、桑名、鈴鹿、亀山、津の各市でも出陣式を開催。夜は伊賀市内で個人演説会に臨んだ。