豚コレラ、いなべで感染 三重県内で初確認 野生イノシシ2頭

【野生イノシシへの感染が報告された豚コレラ対策本部幹事会=県講堂棟で】

三重県は26日、岐阜県に隣接するいなべ市で家畜伝染病「豚コレラ」に感染した野生イノシシ2頭が見つかったと発表した。県内で感染イノシシが確認されたのは初めて。イノシシが養豚場の豚への感染を媒介しているとみられ、感染拡大への懸念が高まった。

県畜産課によると、いなべ市職員が25日午前9時ごろ、いなべ市北勢町と同市藤原町の畑でわなにかかった野生イノシシを発見。26日、国の検査で豚コレラの陽性反応が確認された。岐阜県などで発生した豚コレラのウイルスと同じ型だった。

県は発見現場から半径10キロ圏内にある養豚場1農場を監視対象とした。この農場はすでに監視対象とされており、7月5日までとしていた監視対象期間を延長。6月27日から同28日の間、異常の有無の報告や出荷前に豚の健康状態の確認を求める。

また、県は14日に出した緊急消毒命令について、消石灰の散布完了時期を1週間前倒しし、7月5日までに完了させるよう家畜保健衛生所から各農場に通知した。同12日までに家畜保健衛生所職員が農場を訪れ、消石灰の散布状況を確認する。

イノシシへの経口ワクチンの散布が決まった矢先の発生だった。感染イノシシが県境まで迫っていたため、県が国と散布について協議し、25日に実施が決定。養豚場での感染が確認されていない地域で経口ワクチンの使用が認められるのは全国で初めて。

県は2回にわたって岐阜県に接する桑名、いなべ両市の延べ200カ所に経口ワクチンを計4千個を散布し、イノシシに抗体ができているか検査する。散布は7月20日ごろに始める予定。27日に県や桑名、いなべ両市などで経口ワクチン対策協議会を設立する。

鈴木英敬知事は同日、「野生イノシシへの経口ワクチンの散布について準備が整ったところで期せずして(見つかった)」と危機感をあらわに。「やれることは全部やる。生産者の不安の解消のために緊張感を持って取り組む」と報道陣に語った。

県は26日夕、豚コレラ対策本部の幹事会を開催。会議の開始直前に国から検査結果が届き、野生イノシへの感染が確認されたと各部局の危機管理担当に報告した。25日までに県内55農場に消毒用の消石灰の配布が完了したことなども説明した。