伊勢湾台風 被害から60年、防災意識して 伊勢で企画展 三重

【伊勢湾台風の被害記録写真などが並ぶ会場=伊勢市楠部町の四郷地区コミュニティセンターで】

【伊勢】三重県伊勢市楠部町の四郷地区コミュニティセンターで、企画展「伊勢湾台風から60年」が開かれている。この地方にも大きな被害をもたらした昭和34年の大災害から60年の節目に合わせ、市内外の被害を伝える写真や住民の体験談を展示している。8月末まで。

四郷地区の住民組織が、節目を機に災害への意識を高めてもらおうと企画した。

大量の大木がなぎ倒された伊勢神宮、大破した伊勢高校の体育館や屋根のなくなった四郷中学校の講堂、被害の大きかった県北部などの写真10数点を展示。被害に関する資料や、地区住民による体験談も紹介した。伊勢湾に面する二見町で浸水被害にあった男性は、暴風と高潮の恐怖を「鉛の塊が家を押しつぶす感じ」とつづり、近くの母子が高潮で亡くなったと伝えている。

当時中学1年だった企画担当の上野尚さん(72)は「強風で雨戸が外れそうになり、畳をあてがって家族と押さえた。生きた心地がしなかった」と振り返り「当時を知る人が高齢化する中、体験を記録に残して減災、防災につなげたい」と話している。