玉城町 擬革紙でうちわや御朱印帳 伝統工芸復元へ講習会 三重

【擬革紙を使い、御朱印帳やうちわを制作する会員ら=玉城町田丸で】

【度会郡】和紙にしわを付け、革のような風合いと着色を施した「擬革紙(ぎかくし)」を復元、継承する「参宮ブランド 擬革紙の会」は21日、三重県玉城町田丸の旧成瀬邸(玉城まちかど博物館)で講習会を開き、会員12人が擬革紙を使ったうちわや御朱印帳、万華鏡を制作した。

江戸時代に革の代用品として作られた擬革紙は、堀木茂会長(70)の先祖の堀木忠次郎さんが考案したと伝えられていて、参宮土産のたばこ入れなどに加工され、人気を集めた。

明治時代になるとヨーロッパで擬革紙の壁紙が使われるようになり、日本から盛んに輸出されたが時代の流れとともに衰退し、昭和初期に生産が途絶えた。

伝統工芸技術の復興を目的に、玉城町や明和町などの有志が平成21年に同会を発足した。和紙にしわを付ける型紙を開発し、着色や「万力」という道具を使った絞りの研究を重ねて当時の製造方法の復元に成功。同25年に県伝統工芸品に認定された。

現在は、会員15人が擬革紙を使った作品制作や周知活動に取り組む。毎年、伊勢市のおかげ横丁で開かれる「伊勢の匠展」などに参加し、体験を通して擬革紙の魅力をPRしている。

今回は、全会員が8月3日からの同展で体験してもらう作品を教えられる態勢をつくろうと、講習会を開催。津市の老舗紙店「村田紙店」の武田真紀子社長が講師を務めた。

会員らは、竹骨に擬革紙と美濃和紙を貼り合わせてうちわを仕上げたり、厚紙と擬革紙を貼って御朱印帳の表紙を作ったりして、楽しみながら作業を進めた。

堀木会長は「今後は学校行事に参加して子どもたちにも擬革紙を知ってもらい、未来に残していければ」と話していた。