津地裁 ウィッツに支払い命令 履修回復巡り、伊賀市に 三重

構造改革特区法に基づく認可を受けて三重県の伊賀市内に開校後、不祥事発覚で閉校したウィッツ青山学園高校の生徒に対する履修回復措置として、伊賀市が立て替えた費用約670万円の返還を運営会社ウィッツ(東京都)に対して求めた民事訴訟で、津地裁(鈴木幸男裁判長)は20日、市の訴えを全面的に認め、同社に約670万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

鈴木裁判長は判決理由で、「学校設置者である被告が本来的に行うべき事務を原告である市が負担した」として、同措置に関する事務処理の責務が被告側にあったと認定。そのうえで「被告が措置を実施することが困難な状況で、被告の申し出もあって原告が措置を実施した。生徒に卒業資格を取得させるという最終目標に向けて被告との議論を踏まえて措置を実施しており、被告の意思に反するものとは言えない」として、事務負担は市の責務であり、意思に反する措置だったとする被告側の訴えを退けた。

訴状などによると、同社は内閣府の特区認定に基づき平成17年9月、廃校した旧青山町立上津小学校校舎を利用して同校を開校した。しかし、教員免許を失効した非常勤講師による授業や高等学校等修学支援金の不正受給、遊園地での土産購入時の釣り銭計算を「数学」として単位認定するなどの授業実態が発覚し、29年3月に閉校した。

市は当時の卒業見込みの生徒に対し、卒業に向けた履修回復措置として、28年3―9月までの会場利用や講師派遣などの費用立て替えを実施していた。

判決を受けて、同市の岡本栄市長は「伊賀市の主張を認めていただいた適切な判決と考えている」とコメントした。

ウィッツの田中斉社長は「判決文が届いていないので現時点ではコメントできない。控訴を含めて内容を精査して検討したい」とコメントした。