三重県議会常任委 自画撮り要求を規制 県青少年育成条例を改正へ

【自画撮り被害について説明を受ける医療保健子ども福祉病院常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は20日、戦略企画雇用経済、環境生活農林水産、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。県は医療保健子ども福祉病院常任委で、撮影した自身の裸の画像をメールなどで送信させられる「自画撮り被害」を防止しようと、県青少年健全育成条例を改正すると明らかにした。画像がインターネット上に流出するのを防ぐ。18歳未満の子どもに対して自画撮りを要求する行為を規制する。条例改正案を来年の県議会2月定例月会議に提出することを目指す。

■裸画像被害から子ども守る ― 〈医療保健子ども福祉病院=中瀬古初美委員長(8人)〉
撮影した裸の画像をメールなどで送信させられる自画撮り被害が平成30年に全国で541件あり、県内でも被害が確認されていると報告。県は「現行法令で被害を防ぐのは難しい」との見解を示し、県青少年健全育成条例の改正で対策に乗り出す。

【自画撮り被害】
全国的な自画撮り被害の拡大を受け、有識者などでつくる青少年健全育成審議会で条例改正を進める。18歳未満に自画撮りを要求する行為に対して罰則規定を設けることも視野に検討。10月に中間案を示し、パブリックコメントを踏まえて最終案をまとめる。

ただし、自画撮り被害はインターネットを介しているため、加害者が県外の場合は条例の規制対象にならない。県は国に法律での規制を働き掛ける。

【児童相談所】
県当局は本年度、児童相談所へのAI(人工知能)の導入に向けた研究で、リスク評価の精度を高めると説明。委員らはAIの導入に一定の理解を示しつつ、職員の確保を求めた。

北川裕之委員(新政みえ、5期、名張市)は「職員の人材育成や確保の観点が抜け落ちている」と指摘。中澤和哉子ども・福祉総務課長は「現在は57人の児童福祉士を増やすよう人事課に計画的な採用を要請している」と答弁。森靖洋副部長は令和4年度までに83人の児童福祉士の確保が必要との試算を示した。
■水産業担い手確保へ ― 〈環境生活農林水産=谷川孝栄委員長(8人)〉
県は、水産業の発展や漁村の活性化を目指す「県水産業及び漁村の振興に関する条例」(仮称)の骨子案を示した。漁業関係者の意見やパブリックコメントを踏まえ、来年の県議会2月定例月会議に条例案を提出する。

【水産業振興】
骨子案では、水産業と漁村の振興に向けて県や水産漁業者、県民のそれぞれの役割を明記。担い手の確保や水産基盤の整備を基本理念に掲げる。施策の方針や主な目標を基本計画として定めることとしている。

基本理念や基本計画の策定のほか、基本的施策についても触れる。基本的施策の中には、科学的な知見を踏まえた資源管理や、ICT(情報通信技術)などを活用した安定的な養殖経営の推進を県独自の取り組みとして盛り込む。

【海外輸出】
アジアに県産品を輸出することを目指す県に対し、三谷哲央委員(新政みえ、7期、桑名市・桑名郡)は平成27年に参加したミラノ国際博覧会後の欧米への輸出状況を尋ねた。県の担当者は「伊賀牛をアメリカに輸出しているが、ヨーロッパへの県産牛輸出は進んでいない」と明かした。

三谷委員は「税金を使って参加したので総括すべき。参加しただけで終わってしまう」と指摘。森内和夫次長は「日欧EPA(経済連携協定)が発効されたため、次の取り組みに向けて当時の状況を精査したい」と述べるにとどめた。
■「教育施策大綱」の次期大綱 年度内に策定方針 ― 〈戦略企画雇用経済=東豊委員長(9人)〉
県は教育や学術、文化振興に関する施策の方針を定めた「教育施策大綱」の次期大綱を年度内に策定する考えを示した。現行の大綱が本年度で終了するため。令和2年度からの4年間を対象期間とする。

【次期大綱】
現行の大綱は、生き抜く力の育成▽教育に対する県民力の結集▽三重ならではの教育―などの6項目を基本方針に掲げた。県は次期大綱の基本方針について「おおむね現行の大綱を踏襲ながら、社会情勢の変化を踏まえる」としている。

県は今月中に開かれる予定の総合教育会議で、出席者から次期大綱に対する意見を募った上で、9月中にも中間案を策定する方針。パブリックコメント(意見公募)や常任委での意見を踏まえて最終案をまとめるなどし、来年3月の策定を目指している。

【平和啓発】
県は8月6―18日、津市一身田上津部田の県総合博物館で「平和への想いを次の世代へ」と題した平和啓発の企画展を開くことを明らかにした。戦時中の遺留品や原爆の被害を伝える写真パネルなどを展示する予定。

県遺族会と広島平和記念資料館(広島市)の協力で開催。原爆投下前後の風景を仮想現実(VR)で再現している広島県の高校生らが同月9日に会場を訪れ、活動内容を発表する。戦争体験の伝承に取り組んでいる県内の高校生らとの意見交換も予定している。