<まる見えリポート>衆参同日選の行方 実現なら県内政界大再編

【市民連合みえの呼び掛け人(左)と握手を交わす芳野氏=13日、津市で】

参院選が1カ月後に迫る中で、注目されるのは衆参同日選の行方。「安倍晋三首相が衆院解散を見送る方針を固めた」とする報道が相次ぎ解散風は吹き止んだようで、三重県内の与党からも参院選への全力傾注を促す声が上がる。一方、野党は「依然として解散の可能性は高い」と警戒。仮に衆参同日選が実現すれば、県内では知事選や市長選に連鎖し、政界大再編の可能性もある。

「参院選一色の状況となった」。15日、鈴鹿市で開かれた夏の参院選三重選挙区(改選数1)に立候補を予定する現職、吉川有美氏(45)の決起大会。自民党の川崎二郎衆院議員(三重2区)は、集まった約670人(主催者発表)の支持者にそう訴えた。

川崎氏は決起大会で「私はダブル選はないと申し上げてきた。この一週間、一挙にマスコミの方もダブルを否定し、参院選一色の状況となった」などと説明。「厳しい戦いになるが、お力添えをお願いしたい」と吉川氏への支援を呼び掛けた。

他方、元県議の芳野正英氏(44)を参院選三重選挙区の統一候補として支援する野党は、衆院解散を警戒。岡田克也衆院議員(三重3区)は15日、津市内で開かれた三重民主連合の会見で、解散の可能性について「半分以上はある」と語った。

野党が警戒するのは、安倍首相の〝不意打ち〟だ。三重民主連合の会長を務める中川正春衆院議員(三重2区)も「過去を見ても、解散風が吹き止んだときこそ解散があるものだ」と指摘。衆参同日選があるとの前提で準備を進めているという。

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仮に同日選が実現すれば、県内政界は大荒れの様相を呈する可能性が高い。最も注目されるのが、4月に3選を果たした鈴木英敬知事(44)。ことあるごとに国政進出が取り沙汰され、ついに衆院選に出馬するのではとの観測からだ。

その鈴木知事だが、同日選があっても「出ない」と断言しない辺りが、報道関係者らを戦々恐々とさせている。5日の定例記者会見でも、衆院選への意向を問われた鈴木知事は「選挙をしたばっかりなので。4年間しっかり頑張る」と述べるにとどめた。

仮に出馬するなら、自民党の現職がいない三重3区からか。そうなれば、岡田衆院議員の牙城を崩したい自民勢力と、絶対死守が至上命令の旧民進党勢力による壮絶な戦いが繰り広げられることも想定される。全国屈指の注目区となることは確実だ。

それに伴う知事選も想定する必要がある。出馬の可能性がある人物に浮上するのが中嶋年規県議会議長(53)。7日の定例記者会見で意向を問われた中嶋議長は「可能性は排除しないが、あるとも言えない」「背中を押されれば、進まなければならない」と発言した。

知事選への出馬がささやかれるのは、中嶋議長だけではない。前葉泰幸津市長(57)、末松則子鈴鹿市長(48)らの名が上がっている。現職の市長が出馬すれば、それに伴って市長選も実施される。前回知事選で敗北した共産党も「当然、候補者を立てる」という。

県内政界にかつてない大再編をもたらす可能性がある衆参同日選。野党が警戒するように不意打ちの衆院解散によって急浮上するのか、はたまた解散が見送られて幻となるのか。その〝引き金〝が、安倍首相に委ねられていることだけは間違いない。